愛蘭土紀行 28

日本に向けて出発・アイリッシュウイスキー

8時20分にロビー集合・出発。

11時20分、エールフランス航空でパリに向かってダブリンを出発。
2時間25分の旅。パリには14時45分に到着。

パリで日本行きの便を待つ。出発は17時40分の予定。

出発までの時間利用して、免税店で自分へのお土産物を買うことにした。

私は「愛蘭土紀行1」(司馬遼太郎)にある「ウイスキーのEを飲む」という章があるのを思い出した。そうだ、アイリッシュウイスキーを買おう。

この「ウイスキーのEを飲む」という章はとてもおもしろくて、そもそもウイスキーの発祥はアイルランド説が有力というのが記憶に残っていた。

「・・・わたしが見たかぎり、岩波の『英和大辞典』のその項が素人に親切なように思われた。

 whisky の綴りの方が一般的であるが、商品名としてイギリスではスコットランド産が whisky  アイルランド産が whiskey  アメリカでは輸入品が whisky  国産品が whiskey  と綴り分けられることがある。

この綴りに関するかぎり、アイルランド文化は英国英語に影響せず、むしろアメリカ英語のほうに、たった一語ながら ー 人を酔わせるほどの強烈さで ー 影響を与えたといえる。
 Eのあるウィスキーは、味というか、舌ひびきが濃いようにおもわれたが、同行者はみなこの味のとりこになった。(P264〜265)」

 家に帰って、以前買ったホワイトホースと見比べてみると、写真のように

 WHITE HORSE   BLENDED  SCOCH WHISKY    と書いてあった。

 空港で買ったアイリッシュウイスキーは、

 BLACK BUSH IRISH  WHISKEY とEのあるウイスキーだった。

飲んでみると、確かにとりこになりそうな味だった。これからウイスキーを買うときは、Eのあるウイスキーにしようと思った。

12時間余りの飛行時間。機内食が2回出た。羽田についたのが翌日のお昼。12時45分ごろ。

旅の間、お世話になったケイライン・トラベルの旗。

誰が作ったのかを聞くのを忘れていたが、手作りの刺繍のきれいな旗だ。

ナルニア国物語をベースにして、アイルランドの文化と歴史を学ぶ旅だった。
日本との関係の深い、「ガリバー旅行記」を書いたスイフト ー 本屋さんでの体験が、アイルランドの人情に触れた時だった ー や、ラフカディオ・ハーンの育った家を見ることができたし、オスカー・ワイルドのカラーの像にタッチしたのも楽しかった。アイリッシュウイスキーの美味しさを知ることもできて、大変有益だった。

写真はアイルランドのポスト。 左は北アイルランド、つまりイギリス領の郵便ポスト。 右はアイルランド共和国の郵便ポスト。 独立とともにイギリスの赤はすべて(たとえば2階建てバスも)緑に塗り替えられたという歴史があるそうだ。

イギリスのEU分離問題がアイルランド島にどのような影響を及ぼすのだろう。
旅は終わったが、アイルランドへの関心はまだまだ続きそうだ。

 

 

 

 

愛蘭土紀行 23

聖パトリック教会

聖パトリック教会は工事中だったが、中を見学することはできた。

司馬遼太郎さんは聖パトリック教会について、「カトリックの教会だと思っていたら、英国国教会だった」と驚きのニュアンスで「愛蘭土紀行1」で書いている。
聖パトリック教会は1191年創設と言われている。最初はケルト系教会だったが、イングランドの宗教改革の影響で英国国教会系となった。「愛蘭土紀行1」には、

「教会に、カトリックの聖人の名がついているじゃないか、と思った。
聖人というのは、ローマ・カトリックの神学とながい習慣によってできたものである。新教(プロテスタント)には聖人崇拝がなく、その後、新教の影響を強くうけた英国国教会においても聖人崇拝があるはずもないと私は思っていた。
・・・・略・・・・なにしろ英国国教会は16世紀、ヘンリー8世が王妃と離婚したいがために教会をローマから独立させ、英国国教会として出発させた宗教だから、諸事、鷹揚あるいはぬえのようにできている。
 初期にはカトリックに揺れたり、プロテスタントになったり、じぐざぐをくりかえしたが、やがて中道を行くということにおちついた。たとえば儀式はカトリック、教義は新教、聖教者のスタイルは結婚生活が許されるということで、新教の牧師じみている。」

この「中道を行く」までに大きな悲劇がアイルランドにはあった。
司馬遼太郎さんの「愛蘭土紀行1」には次のようなことが書かれている。

「ただし、アイルランド人は、いまもクロムウェルを許さない。
 1649年夏、クロムウェルは”共和国軍”2万をひきいてアイルランドに押しわたり、かれらがカトリックだというだけで、大虐殺をやった。聖職者、修道女、女子供をえらばなかった。
 ドロヘダでは4千人を虐殺して、ウエックスフォードでは二千人を虐殺した。働き盛りの男をみつけると、アメリカ大陸へ奴隷(年季奉公人)として売りとばした。
「プロテスタント」という言葉が、アイルランドにおいては、悪魔もしくはそれ以上のイメージになったのは、このときからだった。
 宗教は、水か空気のようである場合はいいが、宗教的正義というもっとも悪質なものに変化するとき、人間は簡単に悪魔になる。」

聖パトリック教会の中には、美しいステンドグラスがたくさんあった。
そこはプロテスタントの教会的ではない。キリストやマリア像はないが、カトリックの教会の雰囲気がある。

司馬遼太郎さんは言う。

「つまりはいい意味でいいかげんであるため、カトリックの専売特許であるはずの”聖人”の称号をそのまま英国国教会で無断借用して、”聖パトリック教会”と名づけているのである」

私にはキリスト教のことはよくわからないが、歴史の中で右往左往させられてきたアイルランドのことを思うと、素直にはその「いいかげんさ」では理解できない部分がある。

聖パトリック教会の前庭には、美しい花壇があり花を咲かせている。子どもの遊具などもあって、楽しく明るい空気がある。
こんな風景がいつまでも続いてほしいと思う。

この聖パトリック教会には、私の見たいものがあった。
それは「ガリバー旅行記」を書いたスイフトの墓だ。

 

 

 

愛蘭土紀行 その1

松本侑子さんと行くアイルランドへの旅がいよいよやってきた。
今回は「ナルニア国物語」C.Sルイス、「ガリバー旅行記」のスウィフト、「幸せの王子」のオスカー・ワイルドに関係する文学ツアーだ。

旅行の前に、ガイドブックの他に司馬遼太郎さんの街道を行くシリーズから「愛蘭土紀行1.2」の2冊を購入した。
いつも旅行から帰ってから、あああれも見たかった、これは見忘れた、と嘆くことが多いので、少しは勉強しておこうと買ったわけだ。
この本は30年ほど前に書かれたものだから、ここで紹介されているアイルランドは現在とかなり違っているようだ。現地ガイドさんの話によると、経済成長する前のアイルランド、いわば古きアイルランドらしい。しかしアイルランドの歴史や作家たちの話については勉強になった本だ。旅行中にホテルで予習代わりに読むことにした。

朝8時半に成田空港に集合なので、前日に東京で泊まることにした。
伊丹空港から成田空港へ。
搭乗するときにパイロット席を見ると、何か紙を持って手をふっている。
なんと「ご搭乗ありがとうございます」の文字が。
へーっ、おもしろい。でもこんなことして怒られないの?
機長は大阪人かもしれないなあ。

9月6日金曜日、午前10時25分発のKLMオランダ航空の飛行機でアムステルダムに向かう。約11時間40分の飛行時間とパンフレットに書いてある。

上の写真はKLMオランダ航空の飛行機。この飛行機でアムステルダムに行った。搭乗するときにパイロット席を見たが、ガラス越しのため中は見えなかった。

隣にフランス人?らしい親子連れ。娘さんは小型のパソコン?でアニメやゲームをしている。
個人用なのか、飛行機に備え付けのものなのかわからなかった。
私達は座席についているディスプレイで映画を楽しむことにした。
外国旅行の楽しみの一つは、日本でまだ封切りされていなもの、レンタルビデオになっていない新しい映画が見られること。
日本語吹き替えの映画を選ぶことができることが多いのもうれしい。飛行機のエンジン音が大きいので、機内のイヤホンでは聞き取りにくいこともある。自分用にヘッドホンを持ってきている人もいるようだ。耳全体をおおうとかなり楽に聞き取れるのだろう。

搭乗して2時間ぐらいしてと、アムステルダム到着2時間ぐらい前に食事が出た。
飲み物は?と聞かれて妻が「(炭酸水がほしいので)ペリエ プリーズ」と言ったら、ビールのハイネケンが渡された。そのハイネケンが上の写真。えーっ、どんなふうに聞いた?と思いながらそのハイネケンは私が頂いた。250ミリリットル、なかなか飲みやすかった。

午前中(10時45分)の出発だったので映画をたっぷり見ることができた。

アベンジャーズ エンドゲーム 
・アベンジャーズシリーズの完結編?
 アイアンマンが命を犠牲にして地球を守る。キャプテン・アメリカがパワーストーンを元の時代に返すが・・・浦島太郎になってしまったのが残念。
・アリータ バトルエンジェル
日本のコミックが原作。DVDになれば見ようと思っていた映画。これからシリーズ化されそうな予感。
・キャプテン・マーベル
ワンダーウーマンを上回るパワーの持ち主。地球にはヒーローがいるが、ヒーローのいない星々で平和のために活躍していた人物。最後に「アベンジャーズ エンドゲーム」につながる場面が。
・X-MEN ダーク・フェニックス 
 X-MENシリーズの最終作と思う。主人公のジーン・グレイを演じているのはソフィー・ターナー、「ゲーム・オブ・スローンズ」のサンサ・スタークといえば分かる人も多いと思う。ウルヴァリンもいなくなってしまい、ミュータントはどうなるのだろうと思っていが、この映画を見て、これ以上は創れないなあと思った。

久々サイエンス・フィクション物の映画をたっぷりと見た。

アムステルダムでの乗り換えは時間が少ないので準備をしておくようにと添乗員さんから言われている。速歩きか,駆け足かな?