由布院の四等三角点

三角点を探る旅33

由布院を訪れたのはいつだったろうか。地図を見ると、なんと由布院駅と金鱗湖のあいだに四等三角点のマークがあるではないか。市内観光に三角点探しを入れよう。

宿舎は金鱗湖のそば。夜にはホタルが飛んでいた。久しぶりにみるホタル。iPhoneで写真に撮ろうとしたが、これは無理。

露天風呂もあり、食事も風情がある。中国、韓国からの家族連れが泊まっていたが、どちらも静かなグループだった。

朝の由布院駅は観光客の姿もなく静か。駅でレンタサイクルを借りる。

地図を見ながらこの辺にあるはず。それらしい広場を探す。
この広場ではないようだ。道路向こうに幼稚園らしい建物。そのそばに・・・。

 

これって、ここはお墓じゃなかったの? 倒れた墓石、卒塔婆らしきもののそばに、
「大切にしましょう三角点」の標柱と、三角点があった。

四等という文字がなんとか読める。

近くの幼稚園らしい建物から、園児さんたちの元気な声が聞こえてくる。
まわりの田んぼは田植えがすんでいた。後ろの山は由布院岳のようだ。
ここに三角点があることはほとんどの観光客は知らないだろうなあ。

国土地理院のホームページによると、

四等三角点 設置 昭和39年8月19日 
北緯 33度15分43秒2890
東経 131度21分55秒2042
標高 463.2m
三角点周囲の状況 墓地

とある。
やっぱりここは墓地だったんだ。
将来ここはどのようになるのかなあ。

三角点を発見できたのは、収穫だった。北緯33度だから、大阪より少し緯度が低い。そういえば前日の夜に見た北極星の高度は少し低かったかなあ。北斗七星が大きくて全体がはっきり見えたのは、由布院の空だったからだろう。

さて、レンタサイクルで市内観光をしよう。

 

 

 

三角点を探る旅 30

沖縄 伊計島の三角点

いけじま2

那覇市からバスで辺野古を通り、伊計島に行く。

いけじま1

AJリゾートアイランド伊計島。この上の写真はここのホテルのホームページより。
沖縄、といえばこんな風景がツーリストのパンフレットにあふれている。
国土地理院のホームページで調べてみると、伊計島には四等三角点が三つある。

いけじま3

このAJリゾートアイランド伊計島のなかに、四等三角点がありそうだ。
伊計島の北端の山にある三角点を見ることができるかもしれない。
ホテルの敷地内なので、案外楽に発見できるかも、、、。

いけいじま4ホテルの敷地のマップ。海岸沿いの丘のような山の上らしい。

IMG_5092この山だろう。高さ28mだから、それほど苦労はしないだろう、とカメラを持って出発する。

IMG_1920

IMG_1918ウサギが目の前を走っていく。のどかなところだ。
出発する前に、ホテルのロビーで相談する。
「あの山の上に三角点があるので見に行けますか」
「三角点?」(こういう反応が多い…)
「四等三角点があるので、見に行こうと思って」
「あの山は登れません。草が生い茂っていて、山道も危険ですから」
とつれない返事。

多少の草木なら慣れているので、入り口さえわかればなんとかなるだろうと思い、
「ありがとう」と言ってホテルを出る。

IMG_5069山の西側のコテージ付近に行ってみると、サトウキビが生い茂り、山へ上る道がわからない。あの鉄塔のそばかな、と思いながら近づくがこれだけサトウキビの背が高いと小道のすき間もわからない。

IMG_5061プライペートビーチにまわる。ここは断崖になったビーチなので、山に上るところがない。うーん。途中に上がれる場所はないかと探す。

IMG_5062 IMG_5064こんな感じの海岸沿いの小道。山頂への道が隠されてしまっている。
サンゴ礁の島なんだなあと思う。

IMG_1922 IMG_1926道路を横切るカニ。なんていうカニなんだろう。大きい、体長10センチ以上はありそう。

うーん。正体不明なカニにどっきり。
そうするとサトウキビや草の生い茂っている山の中には、蛇がいるかもしれない。
ハブ注意という立て札があったかなあ、、、心配になり三角点探しはあきらめることにした。

IMG_5089

日が沈んでいく。島の朝日、夕日は海岸線に雲が湧くことが多い。

三角点探しにはよくあること。地図にはあるのに見つからない。目の前にあるのに発見できない。そして季節を変えて来てみると、すぐに見つけられる、ということが。
今回もそれ。目の前の山上にあるはずなのに、そこへ行く道が草やサトウキビで覆い隠されてしまっている。秋の終わりや冬に来れば発見できるだろうなと思う。
でも、この伊計島に再度来ることはあるかなあ。
目の前にあるはずなのに発見できずの巻、日没とともに終了となった。

 

 

 

 

三角点を探る旅 29

8月9日、長崎に原爆が落とされた日。
今年は戦争や憲法について考えることが多い。

那覇市の四等三角点

那覇四等三角点

モノレールの「奥武山公園駅(おうのやまこうえん)」に戻る。
電子基準点のあった公園のモノレールの線の反対側に、奥武山公園がある。
この公園の端に四等三角点のマークが地図にあった。

IMG_2117

 

奥武山公園1

奥武山公園の入り口にあるマップ。
地域によっては、こういった案内地図に三角点のマークがのっている場合がある。
期待してみたが、残念ながら三角点のマークはなかった。
公園の案内地図と、国土地理院の地図とを見比べながら三角点を探すことになる。
どうやら、少年野球場の片隅にありそうだ。

IMG_2118

少年野球場があった。少年ではなく、立派な大人たちが野球を楽しんでいた。
どうもこのあたりらしい。

那覇四等三角点2

 

那覇四等三角点3

すぐに見つけられると思ったが、草が茂っていると、なかなか見つけられないことが多い。 草がなかったら、直ぐに目に入るのに・・・・という経験が何度かある。

IMG_2126

「四等三角点」だ。そう書かれている部分を拡大してみよう。 IMG_2128

「四等」と「三」という文字が読める。 「三角点」と言う文字はふつう、南側に彫られている。

IMG_2131

これは「国土地理院」の「国」と思われる。「国地院」と略されているそうだが、ここでは確認できなかった。通常は西側に彫られている。
IMG_2136

少しわかりにくいが、「基本」の「基」と思われる。通常は東側に彫られている。 IMG_2134

北側には六桁の文字が彫られているそうだが、ここでは「056」と読み取れそうな数字があった。
地中に埋まっている三角点の標石の文字を確認するのは、ここのように大半が埋まっているとなかなか大変。でも三角点の周りを石で囲んであるのは、保存のためにもありがたいと思う。

IMG_2141

目を上げてみると、モノレールが走っていた。このモノレールは県庁方面に動いている。 さて、次は水準点を探そう。

那覇市三角点4

奥武山公園駅から県庁方面行きのモノレールに乗る。
モノレールの窓から、先ほどの奥武山公園が見える。
あれだ、あれだ、あそこの木の根本に「四等三角点」があったのだ。
電車の窓からiPhoneで写真を撮る。
あわてて写真を撮っている私の姿は、周りからどんなふうに見えたのだろう?