ディズニーシーにある、カメラ・オブスクラ

ひさしぶりにディズニーランドとディズニーシーに行ってきた。
上の写真は飛行機の中から写した富士山。
「頭を雲の上に出しー」という歌の通りの写真になった。

目的地はフォートレス・エクスプロレーション。ここに長年の間、是非実物を見たいと思っていたものがある。

カメラ・オブスクラだ。私の思っていた以上に大きかったし、画像も鮮明だった。
これならこの画像を利用して写生画を描くことができたことが理解できる。

天井に穴があり、そこから鏡とレンズを通して外の風景を写しているのだ。

上の写真はウィキペディアからの資料。
ディズニーシーにあるフォーレスト・エクスプロレーションに、この資料にあるようなカメラ・オブスクラがつくられている。

鏡の部分をアップすると、

よく磨かれた鏡と、精度の良いレンズが有るに違いない。 これだけ鮮明な画像が映し出されるというのは、レンズの大きさと精度の良さからくるものかもしれない。 私の自作のカメラ・オブスクラでは、これほど美しい画像は映し出されなかった。 ディズニーシーに来てよかった、思えた瞬間だ。

ディズニーシーの案内の人に「カメラ・オブスクラは?」と聞くとすぐに教えてくれた。ただ、「カメラ・オブスクラとは何か」という説明は私の見た限りどこにもなかった。カメラの原点となったカメラ・オブスクラ。説明パンフとか説明のボードがあればなあと思った。
カメラ好きな人には必見の場所だと思う。

 

 

 

カメラ・オブスクラ 9

一眼レフカメラで楽しむピンホールカメラ

これは以前に「虫眼鏡の一眼レフカメラ」で紹介したもの。

IMG_0896

IMG_0887 IMG_0884

_MG_2668

ナビスコチップスターの筒を使って、虫眼鏡のレンズを取り付けたもの。一眼レフのカメラのマウントと使っているので、ピッタリと組み合わさっている。
前回作った牛乳パックの虫眼鏡のレンズを使ったカメラのデジタル版である。
一眼レフに取り付けているので、直ぐに結果を見ることが出きる。オートフォーカスではなく、手ぶれ補正もないが、なんとも味のある仕上がりになる。
この虫眼鏡のレンズを使ったカメラの詳しいことは、キャノンのホームページで。

http://cweb.canon.jp/showroom/personal/umeda/

ここまでは、虫眼鏡のレンズを一つ使ったカメラ。
では、ピンホールカメラは可能だろうか? 

IMG_0909

さて、これはどうやっているかわかるだろうか。
レンズを取り外し、レンズの開口部を台所で使うアルミホイルでおおったもの!
そして、そのアルミホイルの中心に、ぬいばりでちょっとつっついて穴を開ける。
穴は小さければ小さいほどよい。

これで本当に写真がうつるのか?
自分でも半信半疑でうつしてみる。
カメラ本体をシャッタースピード優先モードにして、入ってくる光の量を調節する。
さてその結果は。

_MG_2903

_MG_2904 _MG_2906

_MG_2910

_MG_2913

_MG_2914

_MG_2917

_MG_2918

シャッタースピードは上から、
2秒、1秒、0.6秒、1/4秒、1/8秒、1/10秒、1/20秒、1/80秒となっている。

アルミホイルに開けた穴の大きさによって変わると思うが、
この結果からみると、1/4秒から1/8秒あたりが見やすい。
時間が長いと光の量が多くて白くなる。反対にシャッタースピードを早くすると光の量が少ないので暗くなっていることがよくわかる。
アルミホイル一枚をレンズ口のまわりをおおっただけだけれど、ピンホールカメラとしての役目をはたしている。
一眼レフだから、すぐに結果を見ることができるので、楽しい。

アルミホイルではなくて、カメラのボディキャップを加工してピンホールを取り付ける方法がインターネットに投稿されていた。
機会があれば、その方法も試してみたい。

 

 

 

カメラ・オブスクラ 7

像の写り方について

いくつかカメラ・オブスクラを作ってきた。 どのような像が見えるのか、少しまとめてみよう。

1.凸レンズがつくる像 (虫眼鏡のレンズ)IMG_20140724_0001_2

凸レンズでは、上下左右が反転した像がスクリーン上に写る。 この時、どの位置から見ているかが大事。 IMG_20140724_0003

スクリーンの表側から見るのか、裏側から見るのかで状態は違う。 上の図は映画館でスクリーンを見ている状態。 下の図は、スクリーンの裏側から見ている状態。

スクリーンの裏側から見ると、上下だけが逆転している。この図を上下逆さまにしてみると、正しい「あ」の文字が見える。
スクリーン表側から見ると、上下逆さまにしても、左右は逆転している。だから「上下左右が反対になっている」という。

A4の箱で作ったカメラ・オブスクラは、スクリーンの裏側から像を見ている状態である。だから、上下が逆さまに見える。(この像を写真にとって、上下をひっくり返すと、正しい風景になる。)

2.鏡に写る像
IMG_20140724_0001

鏡に写って見える像は、上の図のように左右が反対に見える。
鏡を使ったカメラ・オブスクラは、凸レンズと鏡の反射が組み合わさり、見る位置によって像が決まる。

3.フェルメールのカメラ箱の場合(レンズと鏡)。
IMG_20140724_0002

鏡に凸レンズを通した像が写る。その像は上下左右が反対になったものである。 その鏡にう売った像を、図のような方角から見ると、左右が逆転した像になっている。

4.OHPのレンズを使った場合(レンズと鏡)。

IMG_20140724_0002_2

鏡には左右が逆になった像が写っている。
凸レンズを通した像は、上下左右が逆転するので、結果的には正立像が見えることになる。
実際のOHPはこの図と反対の光の向きになるから、レンズの下においた文字や図が、レンズと鏡によって壁やスクリーンに正立像として投影されるわけだ。

ピンホールカメラなどの説明に多くの場合は、木の絵が使われている。木の絵では上下は直ぐにわかるが左右の逆転がわからない。そこで私は「あ」という文字で考えてみた。上下、左右、どこから像を見るか、などの変化がわかりやすかったと思う。