正倉院展 2020

第72回正倉院展が11月9日で終了した。 今回正倉院展の見学と奈良ホテルでのランチ付きのバスツアーがあったので参加した。
1時間の見学時間、一回の入場者は150人に限っての受け入れだった。
奈良国立博物館のまわりにテントを張り、見学者はソーシャルディスタンスを守っての入場だった。

館内は撮影禁止のため、購入したカタログの写真でいくつか紹介しておこう。

一度の入場数が150人なので、思ったよりゆっくりと展示品を見ることができた。これまでだったら、有名なものに人垣ができ、押し合いへし合いのなかでガラスケースの中をのぞくのに苦労したり、説明のパネルをゆっくりと読むことはできなかったが、今回はパネルを読み、展示物を一つ一つ見ることができた。
コロナウイルスの予防対策のためマスクは必ずつけるのだが、わたしは鼻を出してケースを見ていると、係の人がやってきて手真似でマスクを上に上げるように指示された。科学館のプラネタリウムのときも一つおきの椅子に座って、マスクを外したら、係の人がやってきて注意されたことを思い出した。どこで見ているのだろう? なぜわかるのだろう?とびっくりしたが、新型コロナウイルスの感染予防は徹底している。

これは「五色龍歯(ごしきりゅうし)」といわれている薬。
予想していたよりも大きかった。
長さ16.7cm, 幅8.9cm, 高さ24.0cm,重さ4655g とカタログには書かれている。
展示されているものは3つに分裂しているため、紐で結わえてある。
他の薬物と配合して収斂(しゅうれんー血管や組織を縮めること)、鎮静(神経の興奮を鎮めること)に用いられたそうだ。
実はこれは象の上顎右第三臼歯の化石。インドに多くいたとされるナルバタゾウと推定されている。昔の人にとっては、象の化石は薬同然だったのだろう。

これは「粉地彩絵箱(ふんじさいえのはこ)」といい、献物をいれた箱だそうだ。
縦22.4cm,横28.4cm、高さ9.2cmの箱。ヒノキ製と記されている。
このデザインの美しさ、色使いの華やかさにある落ち着き、現代の製品と言ってもだれもわからないと思う。
正倉院展に出てくる展示物は時代をこえた力を持っている。

私が一番見たかったのはこの「馬鞍(うまのくら)」、騎馬用の座具である。 奈良時代、8世紀にこの馬鞍は使われたという。 当時の日本の馬はサラブレッドのような大きな馬ではなく、小型の馬だった。
鐙(あぶみ)も現在の形とはまったく違っている。この馬鞍をつけた日本古来の馬を想像するのはとても楽しい。

このほかにフェルトの敷物や、その再現の様子をビデオで見ることもでき、正倉院には様々な文化が集まっていることが実感できた。
まさしく正倉院は「シルクロードの終点」だ。
今年は新型コロナウイルスの感染拡大を予防するため措置が取られ、十分なソーシャルディスタンスも確保された。そのおかげというのはおかしいかもしれないが,ゆっくりと見ることができたのはよかった。

ランチは奈良ホテルで。
私が思っていたよりも多くの人が食事を楽しんでいた。
下の写真は、ロビー・受付を二階から撮したもの。まるでジブリの映画を見ているような感じだったので写真に撮った。

奈良県庁横のバスセンターの屋上では菊人形展が開かれていた。
東大寺、若草山をバックにし、天皇や、皇后、貴族の衣装を着た菊人形が並んでいた。いいお天気だったので気分もとても良かった。
このあと法華寺の11面観音像や、秋篠寺の伎芸天立像などを見学に行ったが、そのことはまたの機会に紹介したい。