有珠山の三角点

三角点を探る旅52

洞爺湖周辺には三角点が多いことが地図を見るとよく分かる。 いや、北海道が広いから地図ではそう思えるだけかもしれない。
昭和新山、有珠山にバスは移動した。
有珠山の山頂付近に三等三角点がある。
ロープウェイの駅からそう遠くないように見えるので、山を登れば三角点を見ることができるかもしれない。

有珠山のロープウェイ乗り場。真っ直ぐにロープウェイの軌道がみえる。山の緑はここからは見えない。
バスの駐車場からは昭和新山がよく見える。
有珠山は30年に一度に噴火すると言われている火山。
最近は2000年3月27日に噴火が予知され、住民1万人あまりが避難。そして31日午後1時7分に噴火。噴煙は3500mに達した。新山の形成はなかった。2001年の春頃まで火山活動は続いたという。
昭和新山は1944(昭和18年)6月23日に噴火し、翌年の9月20日の活動停止までのあいだの火山活動によって形成された。溶岩ドームが固まって山になったという珍しいものだそうだ。

ロープウェイ山頂駅から見た昭和新山。溶岩が飛び出してそのまま固まった様子がよくわかる。洞爺湖がそばに見える。

この写真は国土地理院の写真。
三角点への道はわからない。とにかく展望台へ行ってみよう。

屏風のような外輪山が行く手を阻んでいる。西遊記の孫悟空にでもならないとこ石の山の向こうに行けない気がする。

外輪山遊歩道入口がある。後ろには太平洋。
外輪山遊歩道から有珠山の周囲をめぐることができそうだが、入り口は閉じられ、入ることが禁止の立て札が貼り付けられていた。
これはダメだ。季節の良いときに、そして時間がもっとある時でないと三角点がある場所には行けない。
有珠山の三角点、魅力的だが季節が悪かったようだ。

国土地理院のホームページを見ると、
旧設置 昭和22年9月7日
再設  昭和58年9月7日
とある。噴火のたびに状況がかわるのだろう。
火山による地形変化の観測にこの三角点が使われていることもわかった。
三角点の重要さがここにあるのだ。

ネットで有珠山に関するブログやホームページで三角点の写真を探したが、なかなか見つからなかった。ハイキングなどで有珠山山頂にはのぼれるようになっているそうだ。10年ほど前の登山の記録があった。そこには有珠山の三角点の写真が載っていた。いつか機会があればさがしてみたいものだ。
https://amaimonoko.at-ninja.jp/h-mtdata/donan/usu.htm

 

 

 

 

洞爺湖の一等三角点

三角点を探る旅51

ここは北海道、洞爺湖周辺には幾つもの三角点がある。
その中でも一等三角点がホテルウィンザーの敷地内にあった。

「国土地理院」の立て札が風雨で読みにくくなっている。しかし四つ揃っているわけではないが三角点を保護する防護石もある。

白い立て札には
 ボロモイ山頂
  Mt. Poromoi
          625m
   幌萌山(ポロモイサン): アイヌ語で大きな入り江という意味の山です。

と書かれている。ウィンザーホテルはポロモイ山の上に建っているのだ。
山の説明はあるのだが、三角点の説明がないのが残念だった。
国土地理院のホームページには、
   基準点名 幌内山
   北緯 42度45分40秒・・・
   東経 140度45分40秒・・・
   標高 624.83m
           選点 明治31年10月3日
   設置 明治33年10月12日
とある。
ホテルの建つずっと以前からこの三角点はあったことがわかる。
平成14年の記録には「保護石1個」とあるので、現在のような状態だったのだろう。

この山頂からは湖と海が一度に見ることができる。朝霧にけむる洞爺湖と反対側に見える海は太平洋。

 

ウィンザーホテルといえばサミット。
2008年7月8日にG8の首脳がこの場に集った。この見晴らし台には、どこにどの首脳たちが立ったかわかるように、ラベルが貼られている。

参加した首脳は、
日本(福田康夫首相)、カナダ(スティーブン・ジョセフ・ハーパー首相)、フランス(ニコラ・サルコジ大統領)、ドイツ(アンゲラ・メルケル首相)、イタリア(シルヴィオ・ベルルスコーニ首相)、ロシア(ドミトリー・アナトリエヴィチ・メドヴェージェフ大統領)、英国(ゴードン・ブラウン首相)、アメリカ(ジョージ・ウォーカー・ブッシュ大統領)。(写真はウィキペディアより)
現在も首相として活躍しているのは、ドイツのメルケルさんだけだ。

私はこの一等三角点が楽しみで、このホテルに来た。ホテルのどのへんにあるのだろうと受付の人に「一等三角点はどのへんにありますか?」と聞くと、
「いっとうさんかくてん?」と不思議そうな顔。
「ポロモイ山頂にあるらしいのですが」
「ここがポロモイ山です。このホテルはポロモイ山に建っているのです」といいながらパソコンで調べていたが、、、、「残念ですがわかりません」。
私は携帯アプリで地図を出して、「ここなんですが」と示しながら方角を聞いた。
「あちらの方です」といわれたほうに進み、ホテルを出て、「高いところに三角点はある」と言いながら周りを見わた渡すと、ポロモイ山頂の白い立て札がすぐに目に入った。
写真を撮っていると、年配の二人連れの女性が
「なんです?」と訪ねてきた。三角点だと説明すると
「私らわからへんわ」と立ち去ってしまった。
添乗員さんにも「このホテルには三角点がありますよ」というと
「三角点?」という返事。
最近は社会科で三角点を教えないのかなあ。
サミットが開かれたホテルに全国に1000しかないと言われている一等三角点がある。こんな楽しいことはない。しかし分かってくれるのは少数だなあ。

 

 

 

 

 

消えた基準点

水準点めぐり 22

写真は電子基準点。
銅座幼稚園の前の公園。
地下鉄谷町4丁目が最寄りの駅。
この周辺には、大阪城公園や大阪府警、大阪府庁があるという、いわば大阪の中心地といっていいのかも。
この写真は2013年6月にとったもの。
私が初めて電子基準点を見たときのものだ。
2020年現在、全国に約1300の電子基準点が設置されているそうだ。
高さは約5メートルの金属の柱。
上空を飛ぶGPSの人工衛星からの信号をキャッチし、24時間の観測を行っているそうだ。

上の写真は2020年9月のもの。ない、電子基準点がない!

公園の中に入って、角度を変えて写真を撮る。
電子基準点があったところには木が植えられているように見える。
周りを見ても、電子基準点があった痕跡はまったくない。
どこかに移動したなどの表示もなかった。
三角点だけではなく、電子基準点も消えてしまうことがあるのだろうか。

国土地理院のホームページから、この付近の電子基準点はどうなったのかを調べてみた。
銅座幼稚園のそばにあった電子基準点は記載されていなかった。
かわりに真田山公園の中に新しい電子基準点が設置されていることがわかった。
さっそく写真を撮りに行くことにする。

ありました。ピカピカの電子基準点が公園の南側の入口付近に設置されていた。
近くには味原幼稚園があった。

「ここに建っているステンレス製の柱は、電子基準点といいます。 柱の先端部にはGPS等のGNSS(全世界的衛星測位システム)衛星からの電波信号を受信するアンテナが取り付けられており、柱の中には受信機本体と受信データを転送するための装置が入っていて、常時連続観測を行っています。
・・・略・・・・全国に設置し、各地で得られたデータを茨城県つくば市にある中央局に転送し、コンピュータで処理して電子基準点の位置を正確に求め、各種測量の基準として利用するとともに、地震予知に重要な地殻変動の監視もおこなっています。
国土交通省国土地理院・・・・」

ステンレス製の柱の足元には丸い金属板が埋め込まれている。
「電子基準点付属標   
 基本  
 国土地理院
 この測量標を移転毀損すると測量法により罰せられます」 の文字がみえる。
この付属標は水準測量にもつかわれることがあるそうで、二等水準点の役割を果たしているものもあるそうだ。

国土地理院のホームページのデータによると、この電子基準点は「2019年7月17日登録」、となっていたから、ごく最近の登録だ。

ここからは私の推測だが、銅座幼稚園そばにあった電子基準点がここに移動したのだろうと思う。銅座幼稚園も、真田山公園も上町台地にあって古い地盤の上にある。今後の地震予知には重要なデータを発信できる位置にあるのではないだろうか。
「電子基準点も消えるのか?」と思ったが、今回はどうも「電子基準点は移動した」というのが正解だろうと思う。
とにかく「電子基準点」があってよかった。