愛蘭土紀行 その16

古城ホテル

非常ベル騒ぎの次の日の朝食。

メニューが渡されて、そこから自分の好きな朝食を選ぶ。

Full Irish Breakfast

Small Irish Breakfast

Vegetarian Breakfast

Gluten Free Breakfast

などなどそれぞれに詳しい内容が書かれている。

Small Irish Breakfast は、
ベーコンが1枚、ソーセージが1つ、卵とトマト、プディング、ハッシュブラウンかベークドポテトとなっている。
私達が食べたのがそれ。

食事の後、庭園を散歩。芝生の真ん中にいるのはシカ、本物ではなく彫像。

外灯もナルニア国物語に出てくる外灯のような雰囲気。

昨日の夕食の時に、庭で食べている人たちが見えたが、ここで食べていたのだろう。

アイルランドにはオオカミと戦う犬として、アイリッシュウルフハウンドという犬がいるが、この犬はその系統なのかもしれない。大きいがおとなしい犬だった。
ホテルの壁にもこの犬の写真がたくさん掲示されていた。

そろそろ出発の時間。バスの運転手さんを真ん中に記念写真を撮る。

バスに乗ってカブラキャッスル・ホテルをあとにする。バスの窓からホテルの入口付近を写す。
私達がめざすのは「タラの丘」。

 

 

 

 

 

 

愛蘭土紀行 その15

Cabra Castle Hotel カブラキャッスルホテル

ここはCabra Castle Hotel カブラキャッスルホテル。 門を入るとずっと続く両側が芝生の庭園。その先にホテルの建物があった。
このホテルは300年の歴史ある古城ホテルだそうだ。約100エーカー(東京ドームの8.5倍)の広大な敷地の中に立っている。総部屋数は105の歴史あるアイリッシュキャッスルホテルとガイドブックに書かれていた。

お部屋の見学ツアーがひとりでに始まる。それぞれの部屋のデザインや調度がちがっているので、見て回って楽しかった。

夕食は素敵なお部屋でいただく。

窓からは中庭で食事をしている人たちが見える

まるで額縁の中の食事風景の絵を眺めているような感じだった。

ボリュームたっぷり。お肉の量も食べ切れない。しかし柔らかくておいしい。ギネスビールで12時間煮ているという手間をかけてものだった。

デザートもたっぷり。貴族たちはこんなふうにして、食事を楽しんでいたのかなあという雰囲気を味わう。

お腹もいっぱいになって、後は眠るだけ。 夜の12時近くに急に非常ベルが鳴る。止まったかと思うとまたなりだす。 外を見ると、あちこちの部屋の電気がついている。何事なのかと思って添乗員さんの部屋に電話する。

翌日、どこかの部屋でタバコを吸ったのか、お風呂の湯けむりか、アラームが探知して鳴ったということがわかった。こんなこともあるのかなあ、これも旅の経験と考える。

 

 

愛蘭土紀行 その14

「赤毛のアン」と「ナルニア国物語」

イギリス領の北アイルランドから南のアイルランド共和国にやってきた。アイルランド共和国というのは正式名ではないが、日本ではアイルランド、アイルランド共和国の両方が使われているので、このブログではアイルランド共和国としている。

さて、北アイルランドは「ナルニア国物語」の作家C.S.ルイスに関係する地であり、物語の舞台のモデルになったのではないかと言われる場所もあった。ところでこのツアーを企画した松本侑子さんといえば「赤毛のアン」の翻訳で有名な人。「赤毛のアン」と「ナルニア国物語」の関係はどこにあるのだろう。少し考えてみた。

ナルニア国物語は全7巻の物語である。
出版の順と、物語の時代順とは違っている。作者のC.S.ルイスの意向もあり、最近は物語の時代順に出版されることが多いそうだ。

左は光文社文庫のナルニア国物語2。
題名は「ライオンと魔女と衣装だんす」で、これは原作のThe Lion, the Witch and the Wardrobe からきている。
しかし岩波書店の瀬田貞二訳が定着しているので、私は「ライオンと魔女」という題でなじんでいた。

7巻目は「さいごの戦い」The Last Battle

ここで物語は終わる。私は読んでいて「えーっ、こんな終わり方ってあるんか?!」
とびっくりして、もう一度最後の部分を読み返した。
いやいや、少年少女が喜んで読んでいる小説で、こういった締めくくりを最後に持ってくるなんて・・・という疑問を松本侑子さんに尋ねると、

「それはジョージ・マクドナルドの『北風のうしろの国』の影響です。」とおっしゃる。

私は日本に帰ってからその「北風のうしろの国」を読んでみた。
この話は、やさしいダイアモンド少年と北風との心温まる交流を描いた、古典的名作。ジョージ・マクドナルドはC.S.ルイスや『指輪物語』を書いたトールキンに影響を与えた人物と言われている。
「北風のうしろの国」の話の展開や内容はここでは省略させていただく。
 読んでみると、たしかに「ナルニア国物語」のラストは、「北風のうしろの国」の最後の影響を受けていると思った。

さて、そのジョージ・マクドナルドの「北風のうしろの国」と「赤毛のアン」とは関係があるのだろうか。

松本侑子さんは「ある」とおっしゃる。「モンゴメリーはジョージ・マクドナルドの『北風のうしろの国』を読んでいた」ともおっしゃっていた。
左の本は「アンの幸福」。
大学を卒業したアンは、サマーサイドの校長となる。レドモンド医科大学で学ぶ婚約者ギルバートにあてた手紙が中心になっている。
ここに「北風のうしろの国」がでてくるのだ。

 

「以前からあたしはジョージ・マクドナルドのあの美しい昔話に出てくる、北風といっしょに飛んで行った男の子がうらやましくてなりません」(訳注「北風のうしろで」英国の作家ジョージ・マクドナルドの作。1824〜1905)
                             P26〜P27

この本は平成24年10月15日 六刷の奥付があり、村岡美枝・村岡恵理さんの「改訂にあたって」という文章がついている。

「北風のうしろの国」は1868年から2年間子どもの読み物雑誌に連載され、1871年に出版されている。
「アンの幸福」は1936年に出版されていて、アンの年齢は22歳〜25歳、物語の時代設定は1888年〜1891年頃である。
ちなみに作者のモンゴメリは1874年生まれで、1942年に亡くなっている。

こういったことから、「赤毛のアン」の作者モンゴメリ自身がジョージ・マクドナルドの「北風のむこうの国」を読んでいて、それが「アンの幸福」に反映されているというわけだ。

ネットで「赤毛のアン」と「北風のうしろの国」を検索していると次のような記事がヒットした。産経新聞のホームページにリンクしている。

https://www.sankei.com/life/news/180923/lif1809230046-n1.html

赤毛のアン」色あせぬ魅力 出版から110年 くすぐる大人の知的好奇心

 
カナダの女性作家、ルーシー・モード・モンゴメリ(1874~1942年)の小説「赤毛のアン」が米国で出版されて今年で110年。来月、モンゴメリの孫娘が製作総指揮を執った映画が公開されるほか、人気作家による翻訳絵本刊行など、日本でも根強い人気が続く。長く読み継がれるアンの魅力を調べた。 (永井優子)
 
・・・・・略・・・・・

平成5年に詳細な注釈付きの全訳を刊行し、現在までにアン・シリーズ3冊の翻訳(集英社文庫)がある作家の松本侑子さん(55)は、両親を亡くし、厳しい境遇で育った少女が、「未来に夢を持ち、自分の力で人生を切り開いていく力強さがすばらしい」という。一方で「中年を過ぎたマシュウとマリラが新しい幸福をつかむ後半生への生き直し、成長の物語でもある」と魅力を語る。

 翻訳を手がけて以来、訴えてきたのが、「20世紀カナダ英語文学の作家」という側面だ。「赤毛のアン」には、シェークスピアやアーサー王伝説など、英米文学と聖書の名句が100カ所も引用されている。英ビクトリア朝の詩人、ブラウニングの題辞に始まり、「神、そらに知ろしめす、すべて世は事も無し」という上田敏の名訳でも知られる詞章で巻が閉じられる。カナダの社会状況との関連も含め、謎解きのようなおもしろさがある。