魔改造の夜 その4

技術者養成学校4

第4回目の講師は「東京大学教授 理化学研究所チームリーダー」の佐倉 統さん。
テーマは「ペンギンちゃん大縄跳びに学ぶ ー 人間と機械のチームワーク」

この番組は「おもちゃのペンギン5体に大縄跳びをさせる」というもの。制限時間内に何回飛べるか、それをきそう。その方法は三者三様だった。

講師の佐倉 統さんは、NHKのサイエンスZEROのコメンテーターも務める人で、専門は進化学を中心とする科学史、科学技術論、サイエンスコミニュケーションに関する研究(ウィキペディアより)。
佐倉さんのホームページには研究室のテーマの一つとして、

「この研究室では、科学技術と社会の「より良い」関係を目指して活動しています。そこには、そもそもどのような関係が 「より良い」のかといった理念的な問題から、実際の科学技術研究開発過程の社会的側面の分析といった事例に即した問題、さらには、科学カフェなどをおこ なって科学と社会のコミュニケーションを活性化するという実践的な問題も含まれています。」

と書かれている。
機械と人間とのよりよい関係、そういった立場から「ペンギンちゃんの大縄跳び」を分析された。

ここで比べられたのは、上の写真左の優勝チームのペンギンロボットと、左の高速回転でペンギン飛ばしたチームだ。学生たちは考える。
優勝チームS陽製作所のロボットはタイマーで自動的にジャンプする。したがって人間はロボットの動きに合わせる。ロープを回す二人は、前の職場から一緒だという古くからの友人。
解説者のスプニツ子さんは、「人間とマシンの美しいハーモニー」と表現していた。
高速ジャンプするロボットを作ったRコーは、センサーでロープの動きを感知するロボットにした。人の動きにロボットがジャンプのタイミングを合わせようするもの。
「人間と機械のチームワーク」と表現されていた。

結果は「人間とマシンの美しいハーモニー」のS陽製作所が勝った。
人が合わせるのか、ロボットが合わせるのか。この技術養成学校でも学生たちが2つのペンギンロボットで縄跳びを体験していたが、どちらもタイミングをあわせるのが難しと感想を言っていた。

佐倉 統さんは、「人間にとって使いやすいマシンとは?」「人にとって優しい機械とは?」という発想の大切さを助言していた。


負けたRコーはロボットを改良してギネスに挑戦した。
その過程で「(設計者)の自分はロープを回していなかった。自分でロープを回すことによって新しい発見があった」という。
またセンサーの位置を真ん中に持ってくることによって、ロープがどの方からペンギンの上を通っても正しく感知するように改良を加えてた。
ペンギンの足も、魔改造の時は足のままだったものをドーナツ状にし、ロープが通過する時に足に引っかからないようにした。
その結果、1分間に170回のギネス世界記録を達成した(ギネス記録にペンギンちゃんの大縄跳びがあるとは知らなかった)。

子どもも大人も、高齢者も同じようにペンギンを飛ばせることができるマシンとなった。「だれでもできる」「だれでも回せる」ということで、「幸せな気持ちが機械によって引き出せた」とRコーの人は言っていた。

佐倉さんは、豊橋技術科学大学の岡田美智男研究室の「ゴミ箱ロボット」を紹介された。
ゴミのそばに動いていくが、ゴミを拾い上げるわけではない。
「そこ!」というだけ。
ゴミを拾ってゴミ箱ロボットの中に入れると
「もっと」と言う。
自分ではゴミを拾わないロボットだ。
佐倉さんは「人が入り込む余地を作る。機械と人の関係をデザインする」という。

人間にとってよいマシンとは?と、考えていく中で、
  作り手、使い手、ロボットの三者で全体が成熟していくことを目指すことが大切ではないか、ということを多くの学生が感想に描いていた。