今月のEnjoy Simple Englishは、
森鴎外の「山椒大夫」。
「山椒大夫」というよりも「安寿と厨子王」というほうが、私にとってポピュラーだ。
私自身、小学校の時に日本昔話だったか小学生用の小説で読んだことを覚えている。
沢山ある「安寿と厨子王」の本な中で、森鴎外の作品が選ばれている。
Enjoy Simple English の本の中には作・森鴎外という言葉は見つからなかったが、ナビゲーターの関根麻里さんが森鴎外の名前を出して紹介していたので、森鴎外の作品「山椒大夫」が元になっていると考えていいと思う。
A group of four people walked down the road by the sea in Echigo or present-day Niigata Prefecture.
Anju was 14 and her brother Zushio was 12.
Their mother was about 30 and their female servant was with them.
(森鴎外『山椒大夫』)
When a local woman passed by, the servant asked her
“Excuse me.
Is there somewhere we can stay tonight?”
“Unfortunately not.
These days, we can’t have strangers in our homes because there are some bad men who buy and sell people.
それに女中が声をかけた。「もしもし。この辺に旅の宿をする家はありませんか」
潮汲み女は足を駐めて、主従四人の群れを見渡した。そしてこう言った。「まあ、お気の毒な。あいにくなところで日が暮れますね。この土地には旅の人を止めて上げる所は一軒も有りません」
女中が言った。「それは本当ですか。どうしてそんなに人気(じんき)が悪いのでしょう」・・・・略・・・
「いいえ。信者が多くて人気(じんき)のいい土地ですが、国守の掟だからしかたがありません。もうあそこに」といい指して・・・(橋のたもとに高札があり、そこに理由が書いてある。人買いが出ているので、旅人に宿を貸して足を留めさせたら罰する、それもあたり七軒が巻き添えになるので、だれも旅人を駐めなくなったと説明する)
*かわいそうに思った潮汲み女はこんな提案をする。
Why don’t you stay under the bridge over there tonight?
I will bring you some blankets later.”
When they reached the bridge, it was getting dark.
*高札には、潮汲み女のいったことがかいてある。原作には「人買いが立ちまわるなら、その人買いの詮議をしたらよさそうのものである。旅人に足を留めさせまいとして、行き暮れたものを路頭に迷わせるような掟を、国守はなぜ定めたものか。・・・子供らの母はただそういう掟のある土地に来合わせた運命を嘆くだけで、掟のよしあしは思わない」とある。この掟が4人の運命を変える。
四人は橋の下で一晩あかすための準備をする。
the mother and servant were really afraid.
They prayed for the kind woman to return.
女中はまめまめしく出ていった。
*女中のうばたけが戻って来るまでに、一人の男がやってくる。
Someone finally came, but it was not that woman.
It was a strong-looking man.
“I often patrol this area.
I feel sorry for travelers who don’t have a place to stay.
If you want , you can come to my house and have warm food.”
*男は言葉巧みに話しかける。
*子供のことを考える母親にとっては、なんとも嬉しい誘い。しかし・・・悲劇がはじまる。
ブログなかほど付近にあるマンがは、左の
「文芸まんがシリーズ4 原作・森鴎外 『山椒大夫 高瀬舟』 発行所 ぎょうせい」
からの引用。
このまんがは、原作にほぼ忠実に作られている。セリフのほとんどが原作からそのまま引用されている。
森鴎外の「山椒大夫」以外は、多くは「安寿と厨子王」のようなタイトルで出版されている。
もともとこの題材は説経節といわれた語り物で、歴史も古いし内容も少しづつ違っているものが多い。それを森鴎外がまとめたのだが、詳しいことはこれから紹介していきたい。