古事記を英語で読む23

Two Brothers 2

The boat took Yamasaci down into the sea and to the sea god’s palace. The sea god was honored that a son of Hikohono-ninigi came to see him.
So Ymamasachi was given lots of delicious food.
He even married the sea god’s daughter.

「・・・ついたところは、海底の国です。美しい建物の立ち並ぶ宮殿は、本当に魚の鱗のように整然として、シオツチノカミの言ったように、キラキラ輝いていました。
・・・一目見るなり海の大神はいいました。『この人は、高天原からご降臨になった神のお子だ。・・・ホオリの神(山幸彦のこと)はたいそうなおもてなしを受け、そして、海の大神の大切な娘であるトヨタマヒメの命を、妻として、海の大神からささげられたのです。(橋本治さんの『古事記』より)

Theree years passed. The Yamasachi remembered,
“I have to find my brother’s hook!”
The sea god gathered all the fish and asked if they knew of the hook.
A red fish came forward and opened its mouth.
The missing hook was inside!

*またたくうちに3年の月日が立ち、山幸彦は兄との約束を思い出す。
「そうだ釣り針を探しに来たんだ」 山幸彦は海の狼にことの経過を話すと、

「海の大神は『それでは』と言って、海の中に住むありとあらゆる魚を宮殿にお集めになりました。 ・・・・海の大神はおたずねになりました。
『おまえたちの中に、釣り針をうばった魚はいないか。わたしは釣り針をさがしている。私のさがしている釣り針は、これこれしかじかのものだ・・・』
海の大神のおたずねにたいして、集められた魚たちは、声をそろえて申しました。 『このごろ、鯛が『ノドに何かが刺さっていて物も食べられない』となげいております・・・・』
海の大神はすぐに鯛をおそばに呼び寄せました。
『口をあけよ』
海の大神は鯛の口を開けされ、中をおさぐりになりました。
するとそきには、魚たちが言うように、大きな釣り針が刺さっていたのです。
(橋本治さんの「古事記」より)

The sea god gave the hook and two balls to Yamasachi.
“These are speical balls. 
Use them when you are in trouble.”

其の綿津見大神(わたつみおおかみ)おしへていひしく
此の針を其の兄に給はむ時に言う状(さま)は
此の針は おぼ針(ち) すす針(ち) 貧針(まぢち) うる針(ち)と 云(の)りて 後手(うしろで)に賜(たま)へ

「・・・これこそがあたながご説明になりました、兄の命の釣り針です。これをあたたにお渡しいたしますが、この釣り針を兄の命にお返しになるときには、このようになさらなければなりません。すなわち『この針は、ぼんやり針、乱暴針、貧乏針、まぬけ針』ととなえられて、それから後ろ向きになってお渡しになるのです。そうしておけば、良いことが起こります。・・・略・・・あなたを攻めてくるようでしたら…そのときには、この二つの珠をお使いになるのです」
海の大神はそう言って、ホオリの命(山幸彦)に二つの球をお渡しします。・・・」
(橋本治さんの『古事記』より)

*「後ろ手」でわたす、ということは、
里中満智子さんのマンガ古典文学「古事記」には、「これは呪いの仕草です」というセリフが書かれている。
橋本治さんの「古事記」には、
「ここでは山幸彦が釣り針を呪う言葉を唱えて、釣り針を後ろ向きに手渡すことで、釣り針の魚を捕る力(サチ)を封じ込めてしまったのだろう」と書かれている。

*鯛の口で見つけた釣り針と、海の大神からもらった二つの球を持って、山幸彦は最速のサメに乗って陸地に戻っていく。
さて、なくした釣り針が戻ってきた海幸彦はどうするのか、それは次回に。