難波神社寄席

ここは御堂筋沿いにある難波神社。地下鉄御堂筋線の「心斎橋」から歩いて数分のところにある。
この日は日曜日だったので七五三の親子連れがお参りに来ていたのが目に入った。
難波神社−その字の通り「なんば」神社と読む。
仁徳天皇を祀っているといて、江戸時代に遡る歴史があるそうだ。ここで上方落語の寄席が定期的に開かれている。今年は新型コロナウイルスの影響で、1年ぶりで寄席が行われた。どんな形式で落語が聞けるのかと楽しみで、行ってみた。(上の写真は難波神社のホームページからの引用)

会場は普段の6〜7割ぐらいの席数かなあ。となり・向かい・前後・左右に1メートル近い間隔が開くように椅子が置かれている。
演台から会場の一列目までは2メートルの間隔を取り、室内はクーラーをつかっての空調。幕間にはドアや仕切りを開けての換気と、新型コロナウイルスへの対策を行っている。
会場は満員。男性の方が多いのにびっくり。繁昌亭よりも男性率が高いように思った。

演目は上の通り。

最初の「桂おとめ」さんはプロになって3年目ぐらいだそうだ。
移動動物園のトラのぬいぐるみをかぶっての話はよく知られていると思う。
ソーシャルディスタンスなどの今の状況を織り込んだ落語だった。

2つ目は「桂文五郎」さんの「商売根問(しょうばいねどい)」。
スズメの姿になっておしゃべりをしているのが楽しい。
天王寺動物園にない「ガタロ」を取りに本町の橋の下に行くのだが、今は本町には橋の下はない。こんなところに歴史を感じるのも落語の楽しみ。

3つ目は「桂勢朝」さんの「子は鎹(かすがい)」。桂米朝さんのお弟子さんらしくその話しぶりは立て板に水。人情噺で落語の世界に引き込まれるような話しぶりだった。
江戸では「子別れ」というそうだが、話の内容からは「子はかすがい」のほうがぴったりと思う。最初に桂勢朝さんの歌がおもしろかった。吉村市長や水泳の瀬戸選手などを歌に読み込むのは、昔からの風刺が落語の世界に生きているとおもった。

最後の「桂文喬」さんの「妻の旅行」は新作落語のようだ。
この落語の練習はどこでするのだろう。まさか家の中で?こんなにおくさんの悪口を言っていたら、いくら落語の話でも「これでいいのかなあ?」と心配したくなる。

噺家さんたちは1年ぶりということで、噺に入る前に近況に触れることが多かった。 やはりこの半年はほとんどといっていいほど仕事がなかったそうだ。
人前で話をする落語は、なかなかコロナ前に状況に戻ることができないのだろう。
しかし時間が経過するにつれて、コロナ禍でのそれぞれの対応が工夫され、経験も重ねる中で、演じることや見に行くことができるようになってきた。
テレビやネットで落語や漫才を見ることはできるけれど、話術は演じている場や演芸場を取り巻く環境の中での即興的な展開になるのも楽しみの一つ。
多くの芸人さんたちが、新型コロナウイルスのために生活の糧に困っていた状況がよくわかった。一日も早くワクチンや特効薬が開発されてほしいものだ。
会場ではいくつものパンフレットをもらった。少しずつ落語寄席がひらかれるようになるのだろう。
第37回難波神社寄席は来年の4月25日(日)だそうだ。これから半年先、コロナが収束していることを期待しつつ、予定表に書いておこう。