藍の生葉(なまは)染め

今年も藍がよく育ったので、藍染をすることにした。
今回は一番単純で、しかも確実な「生葉染め(なまはぞめ)」をすることにした。

以前からいくつか方法を試しているが、薬品を使うのは危険なので直接生葉から染めることをやってみた。
まず大きく育った藍をほぼ根本から切る。

今年は小さな子どもたちに手伝ってもらった。
まず切りとった藍から、葉っぱだけをとる。
ハサミを使ったり、手でちぎり取り、方法はいろいろ。

今年はハンカチサイズの絹を購入したので、絹と木綿のハンカチとで染の違いを確かめてみようと思った。
以前は絹が手元になかったので、レーヨンを使って生葉染めをしたので、レーヨンと絹との違いも確かめられると考えた。

前回の資料を見ると、布10グラムに対して藍の葉が50グラム、そして水が700グラムの分量で計算すればいいことがわかる。

藍の葉を水洗いし、ゴミを取ったあとフードプロセッサーで粉々にする。

粉々にした藍の葉とプロセッサーに入っていた水ごと取り出す。資料の本には木綿の濾すための布を用意していたが、私は古いタオルで代用した。
この作業を何回か繰り返して、すべての藍の葉から染色するための液を絞り出す。

絞り出した染色液に絹、木綿をいれて15分ほど混ぜながら染色していく。
染色液は色が黄緑色から緑色に変化していく。
15分混ぜ続け、できるだけ空気に触れないように混ぜ続けると資料には書いてある。
このとき、手には手袋が必要。
そうしないと指先や、爪が藍色にそまってしまう。タンパク質に反応するためだ。
この段階でも、絹はよく染まり、木綿はそれに比べてあまり染まらないことがわかる。
生葉染めなので、その違いがよくわかる。

上の写真左が絹。右が木綿のハンカチ。染め上がりの違いがよく分かる。

上の写真の左が絹、真ん中が染めていない絹、右が木綿。
木綿もうっすらと染まっているが、絹と比べると全く違うことがわかる。

右の写真は以前にレーヨンの布を生葉染めしたもの。
染める前と染めたあとを比べた写真だが、これを見ると、レーヨンと絹とでも染まりぐあいが違うことがわかる。絹の生葉染めは鮮やかな青に染まる。二回染めるとまたその青が深くなる。
このあと、子どもたちと藍の葉のたたき染めも経験した。たたき染めのことは以前のブログに紹介している。
NHKで正倉院に収められている草木染を再現した放送があった。
永久保存用として50色以上の草木染を再現し、ロンドンの博物館に収められているそうだ。
源氏物語の姫君たちの衣装はこんなにも華やかで軽やかな色だったのだろうか、と驚くほどの鮮やかさだった。
いちど自分の目で確かめてみたいが、それはいつのことだろう。