三角点を探る旅49

玉置神社の一等三角点

玉置神社、知る人ぞ知る、最強のパワースポットとして有名な神社。
世界遺産の熊野古道にある。
大峰山の修験道にゆかりのある地。

山頂は1000メートルを越えるところ。 神社はその山頂近くにある。

玉置神社の存在は30年ほど前から知っていた。
行こうと思ってもなかなか行けないところとして。
それは山が深いとか、道が険しいから、という意味ではない。
神社に呼ばれないと行けないという意味。
行こうと思って家を出たが、何か邪魔するものがあって、例えば天候や車の故障などがおきて3回も行くことができなかった、という話をよく聞いていた。
私も行きたいと思っていたがなぜか行けない。
今回、私の知り合いからの誘いがあったが、その日にはすでに予定が入っていた。
やっぱりなあ、まだ行けないなのかなあ。写真でもとってきて、とたのんだ。

そして、
なんと、山頂に三角点があったとメールが送られてきた。

えーっ、玉置山に三角点が! 全く私の知らなかったことだ。
玉置神社と三角点がむすびつくとは。
上の写真の石が積まれた右側の奥に三角点が見える。

角度を変えて写した写真。
一等三角点だ。

国土地理院のホームページを見ると、
標高1076メートル80センチ
明治28年8月10日に設置されている。

いやー、残念だった。
一等三角点がこの山にあるなんて、まったく想像もしなかった。
標高が1000メートルを越えているから、一等三角点なのだろう。
金剛山で一等三角点の写真を撮ったけれど、それから目にしていない。
あー、行っていたら、と思うが、「山頂までの道は心臓が口から飛び出すほどしんどかった」と帰ってきてからの感想を聞いて、やっぱり私は呼ばれていないなあ、いや無理はしてはいけないということかもしれないと自分で納得。

玉置神社の鳥居が神域とこの世の中との境界線と言われているそうだ。霧が出ていたのでなんとなくそんな雰囲気、という写真が送られてきた。

財布か定期入れに入れておくようにと、玉置神社のお守りを貰った。
「悪魔退散」のお守りだそうだ。
ありがたく頂戴した。
いつか玉置神社と一等三角点に行ってみたいと思う。

 

 

 

月齢早見盤4

これはインターネットて紹介されていた「月齢早見盤」。 山上企画というところが載せている。ここには詳しい解説がのっていて、作り方も紹介されていて、その仕組が丁寧に解説されている。
メトン周期のことものっていて、月齢早見盤の考え方を勉強することができる。

詳しいことは下記のホームページを是非参照してほしい。

http://yamagamiplanning.sakura.ne.jp/guide/texts/moonboard

鬼鬼西(おに おに にし)とは?

月齢の求め方にはいろいろとあるようだ。
ウィキペディアの月齢には、次のような式が紹介されている。

グレゴリオ暦からの月齢計算

グレゴリオ暦の日付から月齢を求める略算法として、堀源一郎氏が『天文月報』1968年7月号で発表した簡易月齢計算法がよく知られている

  • 西暦年数から11を引き、その値を19で割った余りを求め、11を掛ける。この値をaとする。
  • 月数から、以下の表に従って値を求める。この値をbとする。
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
0 2 0 2 4 5 6 7 8 9 10
  • 覚え方は、6月までは「おにおににし」と語呂合わせで覚え、7月以降は(月数-2)で求める。a+bに日数を加える。求めた値を30で割った余りが、その日のおおよその月齢である。但し、最大2程度の誤差がある。

ウィキペディアで紹介されている、堀源一郎さんの論文は

http://www.asj.or.jp/geppou/archive_open/1968/pdf/19680704.pdf

にPDFファイルで見ることができる。

ウィキペディアにある表は、堀源一郎さんの原本では次のようになっている。

堀源一郎さんがこの論文を発表されたのは1968年。1968年は上のウィキペディアにある計算式のaを求めてみると、
1968 – 11 = 1957
1957 / 19 = 103 
となり、余りはゼロになる。したがって a = 0
そのため堀源一郎さんの提示する式は f(月) と日の数とで計算でき、たいへんスマートである。

この0,2,0,2.2,・・・と続く数字はどのような考え方から出てきたのかを見てみよう。

月齢とは?

もう一度基本に帰って、月齢とは何だっのかを復習しておこう。
これもウィキペディアによると、

暦法における月齢(げつれい)とは、直前の朔の瞬間からの経過時間を日を単位として表したものである。

では、ある年の1月1日をスタートにして考えることにしよう。2020年は「うるう年」なので、平年で考えることにする。

そしてこれまで考えてきたように、朔望月の日数は変化するので、平均を取り 29.5 日で一巡するとして計算することにする。実際の月の経過による日数と、29.5 日を一ヶ月として計算したものを表にすると次のようになる。

表の解説をすると、
現在の暦が月の朔望月と同じなら、毎月同じ日には同じ月齢になることはわかる。
しかし現在の暦は月によってその日数は違うので、月齢と日にちは一致しない。
また 29.5 日という、平均値を利用しているので「誤差がある」ということも忘れないでおこう。

2021年1月1日の月齢は、「こよみハンドブック」によると 17.4 である。

2月1日は、上の表によると 1.5 の差があるので
17.4 + 1.5 = 18.9 
となり、「こよみハンドブック」を見ると 18.9 である。

5月1日を見てみよう。上の表によると5月1日は2の差がある。
17.4 + 2 = 19.4 
「こよみハンドブック」によると 19.0 である。

12月1日を見てみよう。上の表によると12月1日は 9.5 の差がある。
17.4 + 9.5 = 26.9 
「こよみハンドブック」によると、26.2 である。

12月31日は
17.4 + 9.5 + 31 = 57.9
57.9 – 30 = 27.9
「こよみハンドブック」によると、 26.8 であり、約1の誤差である。

これは誤差が1から2ある簡便な式であることを忘れないでおこう。

現在の暦と平均の月の動きとの差を考えてきたので、その数を覚えるための一工夫をしている。
「1.5 を2,3.5 を4、5.5 を6、7.5 を8、9.5 を10と見なす。
ゼロを『お』と読み、『2』は『に』とよんで、『お、に、お、に、に、し』と続け7月の5からは順に、5,6、7、8、9、10」としたのが、この「おに おに
にし5678910」という覚え方」なのである。
この覚え方で12月31日を計算すると、(ハンドブックでは26.8 )

17.4 + 10 + 31 = 58.4
58.4 – 30 = 28.4
となり、誤差は2の範囲内におさまっている。

このようにして、調べたい年の1月1日の月齢がわかっていれば、任意の月日の月齢が、概算だけれども誤差2以内で計算することができる、というのが堀源一郎さんの論文の言わんとしていることだと私は思う。

 

 

 

 

 

 

セミの羽化

大雨と強い風が通り過ぎた朝、家の周りを掃除していた。
落ち葉をチリトリにいれていると、何か動いているものがある。
詳しく見てみようと、チリトリで集めた落ち葉を、塀のそばに並べているプランターの一つに入れて調べることにした。

黄色みがかった色、昆虫のようだ。
透明な羽も見える。
これは・・・ひよっとしたらセミではないか?!
私の家の周りに少ないが植木がある。
何年か前から、その木にセミの抜け殻がついているのを見つけることがある。それは毎年のことではないが・・・。

横になったり、斜めになったりと動いている。何か支えになる枝を探しているように見える。
人間の手で触るのは良くないだろうと思い。周りの植物の葉や枝で動かしてみた。
セミが納得した場所ではないようだ。また動き出したので、しばらくおいて、様子を見ることにした。
3時間ほどして見に行ったときの写真が上である。
色も少し濃くなってきたように見える。
草の少し太い枝?幹?をしっかりとつかんでいるように見える。

上の写真を少し拡大したのがこの写真。 黄色みが買った胴体、頭はまだ黒くなっていない。 羽も緑がかってみえる。たいへん華奢な感じがする。

それから3時間後の写真。
かなり色が濃くなっている。このまま順調に羽化が進んでくれることを願う。
猫や犬が家の周りを通るし、カラスも飛んでくる。

買い物に行って、すっかりセミのことを忘れていた。
夕方になってプランターを見ると、セミの姿は見えない。
羽化が終わって飛んでいったのかもしれない。
そう思いながらプランターの中のゴミを取り出そうとすると、
バタバタバタという羽音がして黒いものが飛び出し、向かいの家の2階のパラボナアンテナの方へ飛んでいった。
セミだ! 羽化したあと場所を移動して、葉の下にいたのだ。
私がプランターの草木を動かしたので、びっくりして飛び出したのだと思う。
その時、いっしょにプランターの外に出てきたのが下の写真。

セミの抜け殻だ。 飛んでいったセミの抜け殻に違いない。 私の予想は、 プランターの上に枝を伸ばしている木でこのセミは羽化しようとしていたのだろう(一番最初の写真)。 羽化は夕方から始まって深夜になるという。 他の動物から身を守るためだ。

そんなときに大雨と大風で木からとばされ、ちょうど下にあったプランター周辺に落ちたのだと思う。そこで脱皮したところを私がプランターの中に入れたのだと思う。
セミは土の中で5年、6年をすごすという。
地上に出てからのセミの寿命は1月ばかり。その間に卵を生み、次の世代にバトンタッチをする。
私も今の家に住んでかなりの年月になる。その間にセミが卵を生み、私の庭木の下で地上に出るのを待つ幼虫が育つようになったのだろう。
新型コロナウィルスで人間は大あわてだが、昆虫や植物はゆっくりと自分の時間を生きている。自然の息吹を感じたような1日だった。