月齢早見盤3

上の図は前回「ものづくりハンドブック10」で紹介した「立体月齢早見盤」の型紙。この型紙は「ものづくりハンドブック10」に載っているが、出版元の仮説社のホームページから無料でダウンロードできる。

2000年以降の式 C=((Y-2009)%19)×11+M+D  

前回上記の式が成り立つ、という記事の紹介をした。
この式の計算方法は次のようになる。

2020年6月20日の月齢を求めてみることにする。

(2020ー2009)%19=11%19=11
 これは11÷19の余りを計算している。(0余り11)

11✕11=121
121+M+D=121+6+20=147
147ー30=117
117ー30=87
87ー30=57
57ー30=27・・・・計算の結果による月齢

「こよみハンドブック」によると2020年6月20日の月齢は28.4

「一日前後の誤差はある」ということだから、十分な結果だと思う。

ではこの計算式はどのような考え方から出てきたのだろうか、と考えるのが私の好奇心のなせる技。
前回紹介したホームページに従って、私が理解したものをここに紹介してみよう。

http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0250.htm

1.日数から月齢を推測する考え方

月の満ち欠けを朔望という。そして朔(新月)から次の朔(新月)までの周期を朔望周期という。この朔望周期は一定のものではない。朔望周期の計算は私の手には負えない。ここではホームページに有るように、平均の朔望周期を使って考えていく。

平均朔望周期は29.53059日。
朔(新月)の日がわかっていれば、平均朔望周期の2倍経過した日も朔と予想ができる。同様に平均朔望周期の3倍、4倍、5倍と整数倍経過した日も朔と予想できる。

この考え方を使って考えてみよう。
たとえばY年M月D日が朔の日だとする。この時の月齢は0。
100日後の月齢を予想してみよう。

100 / 29.53059 = 3  余り 11.4

平均朔望周期の3倍と11.4日という計算結果が出る。
この11.4日が朔の日から経過した日数だから、これが月齢だと考えられる。

2.実際に計算してみよう。

では2020年7月1日の月齢から、1日後、1月後、1年後の月齢を推測してみよう。 「こよみハンドブック」によると「2020年7月1日の正午の月齢は 9.8 」

1.1日後の2020年7月2日の月齢は

1日後の月齢は殆どの場合現在の月齢プラス1となる。したがって
「2020年7月2日正午の月齢は10.8」
「こよみハンドブック」も6月2日正午の月齢は 10.8 とある。
 このへんは「当たり前」のところ。

 計算の途中で30を超えるときは30の整数倍を引く。
(これはホームページによると、途中で朔がはいってくると、そこが0になって計算をはじめていくことになる。そして朔望周期は30をこえることがないので、計算結果が30を超える場合に上のような修正のための処置をするという注意が書かれている。)

2.1月後の2020年8月1日の月齢を計算してみよう。

 7月1日から8月1日までの日数を数えればいいわけだが、1月後の月齢なら日数を数えるのは簡単だが、何ヶ月後の月齢となると大の月と小の月、さらに2月と、間隔が広がってくると7月1日からの日数を計算する手間がかかってくる。
ここで朔望周期の平均を考えたように、「1月の平均日数を考え、30.5 日」とするという概略計算の方法をとることにする。

 7月1日から8月1日までの日数を 30.5 日とすると、

 30.5 / 29.53059 = 1 余り 0.97

 カレンダーの上で1月が経過すると、この「余りの分」だけ月齢が増えることを意味している。そうすると

 2020年8月1日正午の月齢= 10.8+ 0.97 = 11.77

「こよみハンドブック」で調べると、2020年8月1日正午の月齢は 11.4
 平均を使っての概略計算でこれぐらいの結果がでるのなら、この方法を信用しても良さそうだ。

3.1年後の2021年7月1日の月齢を計算してみよう。

 平年は1年は365日、うるう年は4年毎に366日。一年を平均すると 365.25 日と考えることができる。

 365.25日の月齢の進み方を計算する。平均朔望周期を 29.53059 とすると、

 365.25 /  29.53059 = 12 余り 10.88

 1年で平均して月齢は 10.88 進むことがわかる。
1年後の2021年7月1日正午の月齢は

 9,8 + 10.88 = 20.68

 「こよみハンドブック」によると2021年7月1日正午の月齢は 20.7
   これはなかなかの結果ではないか。

この計算方法はますます信頼できることがわかる。
さて私が理解できた任意の年月の月齢の出し方は次回に説明したい。