方言活字とは?
「ある地域だけで使われる「方言活字」 日本全国、どこでも使われる漢字の他に、ある特定の地域だけで通用する漢字もあります。」
へーっ、そんな漢字もあるのか。と思いながらパネルを見る。パネルには次のような説明が書かれていた。
轌(そり)・・秋田県など東北を中心として地名に使われている国字
圷(あくつ)・・茨城県などで、地名や名字に使われている国字。
なるほどなあ、と思いながら見ていると、知っている字があった。
彅(なぎ)・・平安時代に草をなぎ倒して道案内した人に与えられた
名字の字という言い伝えがある。この漢字を使った
「草彅(くさなぎ)」という名字は秋田県に集中している。
SMAPの草彅くんの名字はここから来ているのだ。
ところで「国字」とはどういうことなのだろう?ネットで「漢字辞典オンライン」というのがあり、一覧表になって紹介されていた。そこから引用すると
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国字とは日本で作られた漢字のことで、和字・和製漢字などとも呼ばれます。
国字かどうかの判断は辞書・辞典によって異なり、明確に定義されてはいません。
また、この一覧表には載っていない国字も存在します。
辞書・辞典による解釈の違いは「※」によって表しています。
「※」がある・・・国字として扱われる・扱われないの違いが多々みられる字。
「※」がない・・・多くの辞書・辞典で国字として扱われている字。(必ずではありません)
常用漢字表にある国字(10字)・・・「匂」「働」「塀」「峠」「込」「枠」「栃」「搾※」「畑」「腺」
https://kanji.jitenon.jp/cat/kokuji.html
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漢字は中国で作られ、日本以外にも韓国・朝鮮やベトナムにも広がったので、韓国・朝鮮やベトナムにもその民族が作った国字があるそうだ。ただ広く現在も使っているのは日本だと思う。
全国の県別に多く使われている国字が地図と一緒に紹介されていた。
近畿地方を見ると、 大阪の「阪」が国字!ということにびっくり。 琵琶湖の「琵琶」も国字。 近畿の「畿」も国字。
へぇー、私達に馴染み深い漢字が国字、日本でつくられた漢字だとはしらなかった。
全国の都道府県名にも国字があることを知って、見ていて楽しかったし、勉強になった。調べてみると、日本で作られた日本でしか使われていない国字がたくさんあることがよくわかった。
漢字ミュージアムのエレベーターにあった表示。
漢字、英語、点字で表記されている。
左側の「開」には「あく」
「閉」には「しめ」、「開延長」には「かいえん」と点字表記がある。
右側の「壱』には「1」、「弐」には「2」と点字表記が示されている。
展示が素晴らしいので、パネルなどを冊子にしたものはないかと受付で尋ねた。
残念ながらそのような本は作られていないそうだ。
受付には左のような「幕末明治の翻訳語」という冊子が販売されていた。
ヨーロッパなどからの外来語を日本語に取り入れるための苦労が紹介されていた。社会、概念、品格、哲学などなど明治になって作られた言葉あるんだなあ、その言葉を日本語にしていくためには大変な努力と勉強がいっただろうなあと想像される。
入口付近には売店や喫茶コーナーがあり、中国からの観光客も多く見られた。私は受付の人に「中国からのお客さんが多いようですが、このミュージアムを見てどんな反応なのですか」と聞いてみた。
「漢字が中国で作られて、日本に広がっていったことが前半で紹介されているのはよくわかるようです」とおおむね好感をもって受け入れられているという感想だった。
漢字は中国の発明だから、それは誇りうることなのだろう。
以前八坂神社に来たときはこの建物がなかったので、何時頃できたのか受付で聞いた。3年前にこのミュージアムがつくられたそうだ。そうか、京都にはこの3年来ていなかったんだ。もう一度ゆっくりと見学してみたいとおもったが、また3年後かもしれないなぁ。