最近読んで心に残った本

ずっと読みたい0才から100才の広告コピー

図書館で左の本を発見し、借りて読んでみると、手元においておきたい本だったので、買うことにした。

この本に収められているのは広告で使われたコピー。

コピーというのは複写や真似をするという意味のコピーではない。
キャッチコピー、キャッチフレーズで使われるコピーのことだ。
この本の題名になっている「広告コピー」がその内容をよく伝えているとおもう。

生まれてから(0才)から死ぬまで(ここでは100才)の大切なことが、広告コピーで表されているという視点で作られた本。

6歳のページ。
小学校に行くとき。学校に行きたい子どもたちの気持ちをはげましてくれるのは、学校の先生であってほしい。そして先生や大人から「すごい!」と褒めてもらうことで、子どもの意欲や自身が育っていく。
そんな世界であってほしい。子どもの虐待や学校でのいじめの報道を見るたびに、そんな気持ちが大きくなっていく。

最後だとわかっていたら

*8歳のページには、2011年3月11日におきた東日本大震災のコピーが載せられている。それは私の胸をうつ。

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最後だとわかっていたなら

あなたが眠りにつくのを見るのが 最後だとわかっていたら
わたしはもっとちゃんとカバーをかけて
神様にその魂を守ってくださるように 祈っただろう

あなたがドアを出て行くのを見るのが 最後だとわかっていたら
わたしは貴方を抱きしめて キスをして
そしてまたもう一度呼び寄せて 抱きしめただろう

あたなが喜びにみちた声を上げるのを聞くのが
最後だとわかっていたら
わたしはその一部始終をビデオにとって
毎日繰り返して見ただろう

あなたは言わなくても分かってくれていたかもしれないけれど
最後だとわかっていたら
一言だけでもいい・・・「あなたを愛している」と
わたしは伝えただろう

たしかにいつも明日はやってくる
でも もしそれが私の勘違いで
今日ですべてが終わるのだとしたら
わたしは今日 どんなにあなたを愛しているか伝えたい

そしてわたしたちは忘れないようにしたい

若い人にも 年老いた人にも
明日はだれにも約束されていないのだということを
愛する人を抱きしめられるのは
今日が最後になるかもしれないことを

明日がくるのを待っているなら 今日でもいいはず
もし明日が来ないとしたら
あなたは今日を後悔するだろうから

微笑みや 抱擁や キスするための
ほんのちょっとの時間をどうして惜しんだのかと
どうして してあげられなかったのかと

だから 今日
あなたの大切な人たちをしっかりと抱きしめよう
そして その人を愛していること
いつでも いつまでも 大切な存在だということを
そっと伝えよう

「ごめんね」や 「許してね」や
「ありがとう」や 「気にしないで」を
伝える時を持とう
そうすれば もし明日が来ないとしても
あなたは今日を後悔しないだろうから

明日が来るのは 当たり前ではない
3月11日を、すべての人が大切な人を想う日に

   「岩手日報社」2017年 コピーライター
                                河西智彦

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今年2019年も、自然災害や事件で多くの人が亡くなったり、家族や親戚を失ったり、被害にあった人が多い年だった。

その時々、年月にあった時代背景を映し出しているのが「広告コピー」。その力は私の思っていた以上に大きい。

私が中学の時だったと思う。将来どんな仕事をしたいか?ということを考える課題があった。その中で「コピーライター」という子がいた。
「コピー」といえば、当時はゼロックスのコピー機しかしらなかった私には全く想像できない仕事だった。
今思えば最新の仕事だったんだ。
コピーライターは人々の思いや歴史を文字にして残す力がある。その文字を読むことによってその時の時代や時間にもどる事ができる。

私はあらためて「文字の力」について考えた。
そんなことをかんがえさせる本だった。

自分の現在の歳のページを見たり、青年時代や成年になってからのページをみたりすることで、励まされることも多い。
だれかにこの言葉を贈ってあげたい、とおもうページもあった。

この本は100歳のページで終わっている。
100歳の広告コピーには、どんなことが書かれているのだろう。

それは本と手にとって自分で確かめてほしい。

久々に「本を読むのは楽しい」と思える本だった。