愛蘭土紀行 その2

予定時刻どおりアムステルダムに着いたようだ。

おかげで全力疾走で移動することはなかった。

乗り換えてイギリス領アイルランド、ベルファストに行く。

アムステルダムと日本の時差は7時間。ベルファストとは8時間の時差。

この旗がめじるし。Kライン・トラベルの刺繍が美しい。だれが作ったのか聞くのを忘れていた。

乗り換えた飛行機はCityhopper 100 と機体に書かれている。
昔のYS-11見ないな感じかな?

軽食が出た。 映画は見られないので、司馬遼太郎さんの「愛蘭土紀行1」を出してくる。「愛蘭土紀行」といっても、「愛蘭土紀行1」のほとんどはイギリスのこと。後半にアイルランドのことがでてくる。司馬遼太郎さんの意識として、アイルランドを語る前に、イギリスとの関係を押さえなくてはならないと考えたのだろう。

ベルファストに到着。荷物も到着。
荷物も乗り換えしてくれるのだから便利なものだ。
バスに乗ってホテルに移動する。

一泊目のホテルは Grand Central Hotel Belfast グラント・セントラルホテル・ベルファスト 上の左の写真は空港でのホテル紹介の写真。右はホテルの部屋からのながめ。アイルランドの夜空は曇っていた。
緯度の高い国での夜空を見るのを楽しみにしていたが、市内のホテルなどで周囲が明るいこと、そして空の雲のため、夜空の星や月を見ることはできなかった。

夕食はついていない。パンフレットにも「夕食は長時間フライトと時差の関係から体調に合わせて各自お召し上がりください。日本からレトルト食品等をスーツケースに入れてお持ちいただくと便利です」とある。
用意してきたカップライスで夕食とする。
お風呂はバスタプがあるので、これも日本から持参のバブでしっかりと温もることにした。
明日からが本格的な観光・勉強がはじまる。

 

 

 

愛蘭土紀行 その1

松本侑子さんと行くアイルランドへの旅がいよいよやってきた。
今回は「ナルニア国物語」C.Sルイス、「ガリバー旅行記」のスウィフト、「幸せの王子」のオスカー・ワイルドに関係する文学ツアーだ。

旅行の前に、ガイドブックの他に司馬遼太郎さんの街道を行くシリーズから「愛蘭土紀行1.2」の2冊を購入した。
いつも旅行から帰ってから、あああれも見たかった、これは見忘れた、と嘆くことが多いので、少しは勉強しておこうと買ったわけだ。
この本は30年ほど前に書かれたものだから、ここで紹介されているアイルランドは現在とかなり違っているようだ。現地ガイドさんの話によると、経済成長する前のアイルランド、いわば古きアイルランドらしい。しかしアイルランドの歴史や作家たちの話については勉強になった本だ。旅行中にホテルで予習代わりに読むことにした。

朝8時半に成田空港に集合なので、前日に東京で泊まることにした。
伊丹空港から成田空港へ。
搭乗するときにパイロット席を見ると、何か紙を持って手をふっている。
なんと「ご搭乗ありがとうございます」の文字が。
へーっ、おもしろい。でもこんなことして怒られないの?
機長は大阪人かもしれないなあ。

9月6日金曜日、午前10時25分発のKLMオランダ航空の飛行機でアムステルダムに向かう。約11時間40分の飛行時間とパンフレットに書いてある。

上の写真はKLMオランダ航空の飛行機。この飛行機でアムステルダムに行った。搭乗するときにパイロット席を見たが、ガラス越しのため中は見えなかった。

隣にフランス人?らしい親子連れ。娘さんは小型のパソコン?でアニメやゲームをしている。
個人用なのか、飛行機に備え付けのものなのかわからなかった。
私達は座席についているディスプレイで映画を楽しむことにした。
外国旅行の楽しみの一つは、日本でまだ封切りされていなもの、レンタルビデオになっていない新しい映画が見られること。
日本語吹き替えの映画を選ぶことができることが多いのもうれしい。飛行機のエンジン音が大きいので、機内のイヤホンでは聞き取りにくいこともある。自分用にヘッドホンを持ってきている人もいるようだ。耳全体をおおうとかなり楽に聞き取れるのだろう。

搭乗して2時間ぐらいしてと、アムステルダム到着2時間ぐらい前に食事が出た。
飲み物は?と聞かれて妻が「(炭酸水がほしいので)ペリエ プリーズ」と言ったら、ビールのハイネケンが渡された。そのハイネケンが上の写真。えーっ、どんなふうに聞いた?と思いながらそのハイネケンは私が頂いた。250ミリリットル、なかなか飲みやすかった。

午前中(10時45分)の出発だったので映画をたっぷり見ることができた。

アベンジャーズ エンドゲーム 
・アベンジャーズシリーズの完結編?
 アイアンマンが命を犠牲にして地球を守る。キャプテン・アメリカがパワーストーンを元の時代に返すが・・・浦島太郎になってしまったのが残念。
・アリータ バトルエンジェル
日本のコミックが原作。DVDになれば見ようと思っていた映画。これからシリーズ化されそうな予感。
・キャプテン・マーベル
ワンダーウーマンを上回るパワーの持ち主。地球にはヒーローがいるが、ヒーローのいない星々で平和のために活躍していた人物。最後に「アベンジャーズ エンドゲーム」につながる場面が。
・X-MEN ダーク・フェニックス 
 X-MENシリーズの最終作と思う。主人公のジーン・グレイを演じているのはソフィー・ターナー、「ゲーム・オブ・スローンズ」のサンサ・スタークといえば分かる人も多いと思う。ウルヴァリンもいなくなってしまい、ミュータントはどうなるのだろうと思っていが、この映画を見て、これ以上は創れないなあと思った。

久々サイエンス・フィクション物の映画をたっぷりと見た。

アムステルダムでの乗り換えは時間が少ないので準備をしておくようにと添乗員さんから言われている。速歩きか,駆け足かな?

 

 

 

ガリバーと踏み絵 3

左の本は Kodansha English Library (講談社英語文庫)のガリバー旅行記「Gulliver’s Travels」。

この本は原文そのままではなく、Retold されている。
本文142ベージ、そのうしろに10ベージ程度の日本語に訳する場合の注がついている。

日本が登場する場面もあり、短いが「踏み絵」のことがわかる記述があった。
この本のPart3に「The  Land  of  Wise Men 」という章がある。そこのChapter6にそのことが書かれている。

 
 I  asked  one  more  thing,  I  knew  the  emperor  of  Japan  did  not  like  Christians, so  all Europeans  in  Japan  had  to  trample  on a   crucifix  or  a  picture  of  Jesus  or  Mary  before  they  
could  trade  there.

I  did  not  want  to  do  this.
”Your Majesty,” Ì  said.   “I  don’t  want  to  trade.  I  am  just  a   lost  man  who  wants  to  go  home.   Please  excuse  me  from   this.”

trample 他動詞 ふみつぶす
crucifix  名詞 キリスト磔刑(たっけい)像の付いた十字架
(オーレックス英和辞典)

キリストがはりつけになっている像が付いた十字架、イエスかマリアの絵をふみつぶすと書かれている、これが「踏み絵」のことだろう。

ガリバーの頼みに皇帝はこたえる。

The  emperor  was  a  little  surprised  but  agreed  to  my  request.
“But don’t  tell  the  other  Dutchmaen,”  he  warned.
“They  wont’t  be  happy.”

「他のオランダ人には言うな」と警告しているのはこれまでの訳にあったとおり。この本ではここまでで、前回のときに紹介したような密告の場面は省略されている。
密告したのは船長なのかボーイなのかわからない。

今度はペンギンブックスの「ガリバー旅行記」をみてみよう。

作者のスウィフトは1667年に生まれ、1744年77歳で亡くなっている。この時代の人としてはかなり長生きしたと言える。
「司馬遼太郎の街道2」という本によると、
『・・・当時としてはずいぶん長生きでした。平均寿命の2倍ぐらいは生きています。・・・長生きには秘訣がありました。まず食べ物が良かった。さらに当時としては珍しくよく入浴し、清潔だった。もうひとつ、よくジョギングをしていました。雨の日は司祭館の3階までの階段を上がり下がりしていたそうです。(P38)』と書かた。

 

I  added  another  petition,  that  for  the  sake  of  my  patron  the  King  of  Luggnagg  his  Majesty  would  condescend  to  excuse  my  performing  the  ceremony  imposed  on  my  countrymen  of  trampling  upon  the  Crucifix,  because  I  had  been  thrown  into  his  kingdom  by  my  misfortunes,  without  any  intention  of  trading.
petition   名詞(神,国王への)嘆願
condescend  動詞(地位・身分が上の人が)(人に)へりくだってやさしく
     (親切にも)・・・する(to do )
impose  動詞 課す、押し付ける、強いる
trample  動詞 踏みつぶす
Crucifix 名詞 キリスト磔刑(たっけい)像の付いた十字架
「踏み絵」のことが記述されているところ。十字架を踏みつけるというように書かれていて、キリストやマリア像の絵のことは書かれていない。
 
He seemed  a  little  surprised, and  said,  he  believed  I  was  the  first  of  my  countrymen  who  ever made  any  scruple  in  this  point  and  that  he  began  to  doubt  whether  I  were  a  real  Hollander  or  no:  but  rather  suspected  I  must  be  a  CHRISTIAN.
scruple  名詞 ためらい、疑念
皇帝(将軍)がガリバーを疑うところ。しかラグナダ国との関係からガリバーの要望に応じる。
 
, but the  affair  must  be  managed  with  dexterity,  and  his  officers  shoule  be  commanded  to  let  me  pass  as  it  were  by  forgetfulness.  For  he  assured  me,  that  if  the  secret  should  be  discovered  by  my  countrymen,  the  Dutch,  they  would  cut  my  throat  in  the  voyage.
 

dexterity  名詞 手際の良さ、機敏さ、巧妙さ
assure  動詞 自信を持って言う。
forgetfulness  名詞 忘れやすいこと、気にしないこと

このforgetfulness が「ついうっかりと」「ぼんやりしていて見逃す」「役人がうっかり忘れたふりをして」という訳文になったのだろう。

しかしオランダ人に首を切られる、というのは納得できない話だが、それくらい「踏み絵」というものが浸透しているということなのだろうか。

Before  we  took  shipping,  I  was  often  asked  by  some  of  the crew,  whether  I had  performed  the  ceremony  above -mentioned?  I  evaded  the  qquestion  by  general  answer,  that  I  had  satisfied  the  Emperor  and  Court  in  all  paticulars.  Howerer,  a  malicious  rogue  of  a  skipper  went  to  an  officer,  and  pointing  to  me,  told  him,  I had  not  yet  trampled  on  the  Crucifix:  but  the  other,  who  had  recieved  instructions  to  let  e  pass,  gave  the  rascal  twenty  strokes  on  the  shoulders  with  a  bamboo,  after  which  I  was  no  more  troubled  with  such  questions.

evade 動詞 はぐらかす、そらす
malicious  形容詞 悪意のある、意地の悪い
rogue  名詞 悪党、ならず者
skipper  名詞 (漁船、小型商船などの)船長
オーレックス英和辞書には上のように、skipper は船長とあった。
しかしペンギンブックスのこの本には注がついていて、skipper → ship’s boy
と書かれている。船長ではなく船に乗っているboy、という注だ。

これで日本語訳に違いが出る理由がわかった。
一般的な辞書では、skipper は船長だ。しかしペンギンブックスの注によると「ship’ boy 」ということで船長ではない。

スウィフトの書いたガリバー旅行記の原文,原作の表記についてはこれ以上私の力では調べられない。ペンギンブックスの本が原作と同じだとしたら、スウィフト時代のskipper の使い方が ship’s boy の意味だったら、「船長ではなくボーイ、船付き給仕」と理解したほうがいいのだろう。