「ローマ数字」についてちゃんとした知識はあるだろうか? この本を図書館で見つけた時に、自問自答した。
子ども向けの絵本のようなので、借りて読んでみた。
なるほど、と思うこともあったのでここに書いておこうと思う。
ローマ数字といえば、本のベージや章を表す時に使われていたり、腕時計や掛け時計にも見ることがある。
でもそのローマ数字で何桁まで表すことができるのか?と問われるとさて答えることができるだろうか。そんな時にこの本は役に立つ。
私達が普段使っている数字、
1,2,3,4,5,6、7、8、9、0
はアラビア数字。
ローマ数字には0
という概念がなく、0を表す文字はない。ここがアラビア数字の素晴らしいところで、この0を発見したのはインド人であることはよく知られている。
ところでこの本を読むまではローマ数字で、
100,500,1000を表すことができるとは知らなかった。
すべての数字を1と5と10と50と500と1000などで表すと言うのだからその考え方は知っておくに値すると思った。
この本の面白いのは、位取りのことをしっかりとかいてあることだ。
たとえば3だけなら3だが、
36と書けば、この3は30のこと。
365と書けば、この3は300のこと。
この表記法の素晴らしさはローマ数字と比べればよく分かる。
Ⅰ は いつでも1
Ⅴ は いつでも5
Ⅹ は いつでも10
16をローマ数字て表すと
10+5+1 と考えて XVⅠ となる。
もう一つこの本の面白いの日本の硬貨を使って考えているところだ。
10円玉、5円玉、1円玉を並べて、合計16円。
10円玉にローマ数字のⅩ、5円玉にローマ数字のⅤ、Ⅰ円玉にローマ数字のⅠ を貼り付けると上の写真のように15円をローマ数字で書くと ⅩⅤⅠ となることがよくわかる。
14はローマ数字のⅩと5円から1円引くと考えて、上の写真のように ⅩⅠⅤ となる。
18円は、10円+5円+1円+1円+1円と考えて、ⅩⅤⅠⅠⅠ と書ける。
56円は50円玉1枚+5円玉1枚+1円玉1枚だから、
50を表すローマ数字Lを使って上の写真のように考えると、LⅤⅠ と書き表せる。
上の写真は54。50+(5−1)=54 と考える。 LⅠV と表せる。
これは50+10+5+1で66。
ローマ数字では50のL、10のⅩ、5のⅤ、そして1のⅠで、LⅩⅤⅠとなる。
64円は、50円+10円+(5円−1円)として考えて、LⅩⅠⅤ となる。
100円+50円+10円+5円+1円で166円。
ローマ数字で100をあらわすCをつかうと、CLⅩⅤⅠ となる。
90を表すときは、100−10と考えて ⅩC が90になる。
その具体例が下。
100−10=90、5−1=4、これを合わせて94となり、ⅩCⅠⅤ と書ける。
こんなふうにしてすべての数字をローマ数字を使って書くことができるというわけだ。日本の硬貨、100円玉、50円玉、10円玉、5円玉、1円玉に置き換えて、
置く場所によって数字を足したり、引いたりして求める数字になるようにする。
少し頭の体操になりそう。
1000を表すローマ数字は、M。
5000より大きい数の表し方は、左上のように文字の上に横棒があると1000倍を意味する。また右のように底のない箱は10万倍をあらわす。
上に横棒のあるローマ数字や底のない箱に囲まれたローマ数字を見たことはないが、そういう書き表し方があることがわかった。
この本の裏には、1〜1000までのローマ数字の一覧が載せられていた。
ローマ数字の一覧表を見たことはなかった。
こんな大きな数字をローマ数字で表したものがあるだろうか。
ローマ数字を探す目で、街を歩いてみる楽しみが出てきた。