アメリカ東海岸 「若草物語」と「あしながおじさん」の旅 18

四日目 ヴァッサー大学図書館

絵になる大学。写真のシャッターをあちこちで押す。

ここがヴァッサー大学の図書館。ジーン・ウェブスターが在籍した頃にはまだなかったそうだ。卒業後にこの図書館の前で同窓生と一緒に写した写真が図書館にあった。

写真に1901年という横幕が写っている。残念ながら、どこにジーン・ウェブスターさんが写っているかはわからない。

なんとも素敵な図書館ではありませんか。

左は図書館のロビーで松本先生と話す、この図書館の館長さん。休日だというのに私たちのために図書館を開けてくれた。ありがとうございます。
右は図書館入口にあった掲示板の一部。「LIBRARIES  ARE  EVERYONE

We are committed to welcoming everyone into the library.
We expect those who use this space to share this commitment.
If we see something, we are going to say something! 」

館長さんに蔵書の数を聞くと、100万冊はあるとのこと。これらの資料がオープンされているということは、とても素晴らしいことだと思う。

図書館を見学したあと、ジーン・ウェブスターの残した資料を見せてもらう。

これが「あしながおじさん」の初版の本。小型の本だ。館長さんに聞くと、「あしながおじさん」は子ども向けに出版されたものではなくて、最初から大人向けに書かれた本だそうだ。当時の本の大きさはたいていこれぐらいだったと言う。

これはジーン・ウェブスターが日本に旅行に来た時、アメリカに出した手紙。
便箋の上に、NIKKO HOTEL の文字が読み取れる。

日光東照宮、人力車、富士山、相撲風景の絵葉書もあった。
ジーン・ウェブスターが日本に来たことはあまり知られていない。
松本侑子さんの「私の青春文学紀行」に詳しく書かれている。
松本侑子さんはこの図書館に保存されているジーン・ウェブスターの手紙を調査されているのだ。

「明治40年に日本を旅した作者
・・・・驚いたことに、大日本帝国の切手を貼った封筒が出てきた。はやる心を抑えながら読んでみると、作者は「あしながおじさん」を書く前に来日していた。
長崎から上陸し、神戸のミカドホテル(当時)、京都の都ホテル、横浜グランドホテル(当時)、東京の帝国ホテルなどに泊まり、横浜から太平洋航路で帰米している。ヨーロッパ、エジプト、インド、東南アジア、香港をまわった世界一周の最後に日本を旅したのだ。
関連書で年譜を見ると「1906年〜7年に世界旅行」とあるだけだ。作者が日本を訪れていたことは、一般に知られていないのではないだろうか・・・。
日本からの封筒の宛先は、ニューヨークのウェブスター夫妻。内容は茶道、お花見、人力車、反政府主義者など縦横無尽で、異国で見聞するすべてに好奇心旺盛な女性のときめきが伝わってくる。ジュデイと同じように作詞本人が躍動感ある手紙を書く天才だったのだ。・・・。」

なるほど、実際にジーン・ウェブスターの写真や手紙を見て納得。現地に来なくては実際のことはわからないし、新しい発見もあるいい旅だ。

ところでジーン・ウェブスターは「あしながおじさん」で、女性参政権のことを書いている。

「わたしに選挙権があったら、りっぱな有権者になれると思いませんか? わたし、先週で21歳になりました。こんなに正直で教養があって良心的で知的な市民を活用しないなんて、この国はずいぶんともったいないことをするものです。(土屋京子訳)

「あしながおじさん」の書かれた時代には女性には参政権がなく、ジーン・ウェブスターも参政権がなかった。アメリカの女性が参政権を獲得したのは、ジーン・ウェブスターが亡くなって4年後の1920年であった。ジーン・ウェブスターがもっと長生きしていたら、どんな小説を書いていたのか、残念なことである。

正面から見ると歴史的建造物のような図書館も、後ろ側は近代的な建物。セキュリティもしっかりしていた。すばらしいヴァッサー大学と図書館を見学して、バスに乗ってニューヨークに向かうことになる。

本当に美しい大学だった。ウィキペディアによると、キャンパスは全米有数の美しさを誇る。敷地面積は1000エーカー(約4平方km)におよぶキャンパスは樹木園でもあるそうだ。歴史的建造物や近代建築が並ぶ。また全米でも「最も入学競争率が高い」と区分されたこともある大学だそうだ。
環境の良さ、学生たちの熱意、教授陣の情熱が感じられる大学だった。
さて、最後の訪問地はニューヨーク。

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です