映画「赤毛のアン」

最新の映画「赤毛のアン」の上映が始まった。 私は「赤毛のアン」の翻訳者の松本侑子さんのブログでこの映画のことは知っていた。
日曜日にさっそく見てきた。大阪では3館でしか上映していなようなので、なんばパークスの映画館に行った。

この場面を見るだけで、「赤毛のアン」ファンの人達にとっては、物語のいつの時かわかるだろう。

そう、アンがマシューと一緒に馬車に乗ってグリーンゲーブルズに行くところ。
カナダ・プリンスエドワード島の自然の美しさが、これでもか~というぐらいに画面いっぱいに広がる。
私は松本侑子さんのツアーで、プリンスエドワード島に行ったが、「これも見た、あれも見た」、と自分が映画の中に入ったような感覚になった。

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これはプリンスエドワード島のツアーで私が写真に撮った「グリーンゲーブルズ」。映画の「グリーンゲーブルズ」は、これとはちがっていた。ちょっと残念な気もするが、リアリティを追求すればそれもそうだろう。下の写真がパンフレットからとった「グリーンゲーブルズ」。

私が一番気に入った場面がここの場面。

松本侑子さんがご自分のツイッターで、この映画「赤毛のアン」のことを何回か紹介されている。 そこにはこんなふうに説明がある。

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この場面は『赤毛のアン』第24章でアンが、16世紀の詩人パーシーの「妖精の女王」を暗誦する場面。映画のアンは「さあ、ついておいで 小さな妖精たち」と原詩通りに語っています。『アン』に出てくる膨大な英米文学は『赤毛のアンに隠されたシェイクスピア』(松本侑子著・集英社)をご覧下さい。

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「赤毛のアン」の原文では、詩の内容までは書かれていない。

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We’re going to have six choruses and Dianna is to sing a solo. I’m in two dialogues – The Society for the Suppression of Gossip and The Fairy Queen.

・・・私たちは六曲、合唱するの。ダイアナはソロで歌うことになっているのよ。
私は対話劇(ダイアローグ)に二つでるの。「ゴシップ撲滅協会」と「妖精の女王」よ。・・・(松本侑子訳)

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集英社文庫「赤毛のアン」(松本侑子訳)の解説から抜き出してみると、
「1878年以降、暗唱用の詩集に入れられ、学校で暗唱された。内容は妖精の女王マブと妖精たちが人間に近づいていたずらしたり、草むらで踊ったりする様子が詠われる。スコットランド等に伝わる妖精伝説にちなんでいる。」

このとき、アンが着ているドレスが例の「パフスリーブドレス」。
映画の字幕では「ちょうちん袖」となっているが、やはりパフスリーブのほうがいいと思い、妻に聞いてみた。「ちょうちん袖、とふつうに言っていたよ」という。

さて、この映画でもう一つ興味をひいたのが帽子。

写真はアンとダイアナが走っているところだが、ピクニックの場面ではほとんどの女の子が同じような帽子をかぶり、走る時は帽子を押さえて走っていた。へーっ、走る時は帽子を押さえていたんだ、と新発見した気分。帽子に紐がついていてそれを結ぶのかな、とかピンで落ちないようにするのかな、と思ったりしていたが、なんのことはない、手でおさえて走っていたんだ。

左の写真の帽子。これも松本侑子さんのツイッターによると、

「この帽子! 3人ともタモシャンター帽! スコットランドの伝統装束で(エジンバラの土産物屋で売ってます)、『赤毛のアン』ではスコットラント系カナダ人のアンがかぶってますよ。これも従来の翻訳では訳されていないので、集英社文庫『赤毛のアン』で読んで下さいね。映画がますます楽しみです。」

「赤毛のアン」の本では、
第19章にでてくる。

「正直なところ、アンは、微かに胸の痛みを覚えずにはいられなかった。自分は質素な黒のタモシャンター帽と、マリラお手製のまっすぐな袖の不格好な灰色のコートを着ているのにひきかえ、ダイアナは毛皮の帽子と小粋なジャケットなのだ。しかしすぐにアンは気をとり直した。私には想像力があるんだから、それで補えばいいんだわ」

巻末の解説を見ると、「上にボタンがついた、ベレー帽に似たウール製の大きなふちなし帽子。スコットランドの詩人、ロバート・バーンズ(1759〜96)による同名の詩「シャンターのタム」(タモシャンター)の主人公の農夫、タムがかぶっていたことに由来し、スコットランド人がかぶる(後略)」とある。

この映画の原題は「L.M Montgomery’s Anne of Green Gables」である。
「モンゴメリーのグリーンゲーブルズのアン」というように、原作の雰囲気がよく伝わってくる。
マリラがストーブをオーブンとして使ってケーキを焼いているところや、アンが乳搾りをし、ニワトリに餌をやるなど、原作で描かれている生活が丁寧に画面で表現されている。
私としては、続編が出たら、じゃがいもの種芋を切っているアンを登場させてほしいなあ、と思う。

「赤毛のアン」の映画は、30年ほど前の、ミーガン・フォローズの映画が有名。私もビデオで何回か見た。
ミーガン・フォローズのアンは、原作のアンよりも美人、というのが私の印象だったが、そのミーガン・フォローズさんが最近のテレビドラマの「クイーン・メアリー」で出ていたのでびっくりした。それはさておいて、どちらの映画もマリラとマシューがとてもいい。この二人を抜きにしては、アンの映画は作れないだろう。左が30年前の映画のマリラとマシュー。右が今上映中のマシューとマリラ。

主人公のアンを演じたエラ・バレンタインさんのことは、映画を見てくださいとしか言えない。原作に忠実に演じている。公式ブログもあるので、ご覧いただきたい。

今回の映画は原作の完全映画化ではない。映画用に脚色されているところもあったが、5月の季節にふさわしい映画だった。これからプリンスエドワード島を訪れる人、訪れたい人は必見の映画だと思う。

 

松本侑子さんのホームページ(ここからブログ、ツイッターにリンクできる)

http://office-matsumoto.world.coocan.jp/index.htm

*映画の写真はパンフレットより。
*ミーガン・フォローズさんの写真は「スクリーンプレイ 赤毛のアン」より。

 

 

映画「赤毛のアン」” への2件のコメント

  1.  久しぶりに訪問します。連休中も含めて外に出ることが多く、写真の整理や当方のブログ・Facebookの投稿に追われています。紺碧の空さんも精力的に外に出られていますね。特に「新幹線で地球4分の1周の旅」は楽しそうですね。まだなななめ読みにしかしていませんが、その4の「置物のような水鳥の景色」は気に入りました。あの鳥はカモかもしれませんね。鳥のことは詳しくないので間違ってるかも? あのシリーズはゆっくり読みたいと思います。
     「大阪環状線撮り歩きー新今宮編」はいいですね。「オースエ劇場」「アーケード下」「菜の花の中の阪堺電車」「映り込み」「トンネル」等、いいスナップがたくさんありました。環状線の駅界隈ではやはり新今宮が最高ですね。他の環状線撮り歩きがあれば楽しみにしています。

    • 風見鶏さんへ
      ありがとうございます。
      ブログに記事を書いておくと、振り返る時に便利ですね。
      環状線の駅周辺の写真は、これからも機会を見つけて撮っていくつもりです。全部の駅を紹介できるか?さあどうしましょう。やるとすれば数年かかりそうですね。
      ところでフェイスブックを見るのはどうすればいいのですか。
      メールででも教えて下さい。私はフェイスブックやツイッターというものをやってはいませんので。

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