英語で楽しむ「あしながおじさん」その1

名古屋の中日文化センターで「英語で楽しむ『あしながおじさん』」全3回の講座がひらかれた。
講師は赤毛のアンの翻訳で有名な松本侑子先生。

名古屋までは近鉄を使って約2時間余。
せっかくこの季節に名古屋に行くのだからと、名古屋城の桜見物をする。
お花見もすませ、名古屋名物のカレーうどん・名古屋名物ランチとやらを頂いて中日文化センターへ向かう。

Daddy Long legs とは アシナガグモのことだった

Daddy-Long-legs といえば「あしながおじさん」という本の題名のこと、というのが私の知識で、あたり前のことだと思っていたらとんでもない、
インターネットで調べると蜘蛛の写真がいっぱい出てきた。
蜘蛛の仲間で、ある種類の蜘蛛の呼び名がDaddy-Long-Legsだったのだ。

左の本は、私が購入した「あしながおじさん」の原書。

折角の機会だから、原書で「あしながおじさん」を読もうと思ったから。この原書には前書きがある。
児童向けの小説も書いている作家のEva Ibbotosonさんが、この「あしながおじさん」の思い出を書いている。そこにあれ?これはどういうことだろうと思うところがあった。
Eva Ibbotosonさんが13歳の時に、休暇でLake Districtに行った。雨が降り続いて退屈だった時にこの「Daddy-Long-legs」の本を発見した。その時の様子をこんなふうに書いてある。

I could so easily not have picked it up – in those days I wasn’t really interested in insects.

「私はそんなに簡単にその本を手にしたわけではない、というのはその当時の私は昆虫にほんとに興味がなかったから」と言う感じか。

また、この前書きの一番最後にも、

 As for me, I think if I had to choose a moment of pure happiness in my long life as a reader it would be the moment I picked up this book and found, most gloriously, that it had absolutely nothing to do with insects!

「この本は全く昆虫と関係ないことを発見したこと…」

と「昆虫」が出てくる。「あしながおじさん」の本と「昆虫」とどんな関係があるのかなあ、と思っていた。

そんな時に松本先生の解説で、「Daddy-Long-legsというのはアシナガグモのことなんですよ」と説明された。なるほど、そういうことか、昆虫のことだったのだ。

左は「あしながおじさん」の翻訳本。「あしながおじさん」の翻訳はたくさん出ていて、どこのものがいいのかと迷うくらい。
岩波少年文庫なら問題ないだろうと思い購入。この本の訳者あとがきに、訳者の谷口由美子さんがこんなことが書いている。

**************「あしながおじさん」が初めて訳されたのは1919年で「蚊とんぼスミス」という題でした。「あしながおじさん」という名前が定着したのは、1933年の岩波文庫の遠藤寿子(えんどうひさこ)訳からです。原題のDaddy Long Legsは、あしながグモのことですから、イメージがぴったりのすばらしい訳題ではありませんか。
***************

なるほど、「あしながおじさん」というのは日本だけの題名だったのだ。
日本のほとんどの人達は、「Daddy-Long-legs」から「足の長い・・・」というイメージを持つと思う。私などは「Daddyだから、ホントはお父さんだけれども、おじさんと訳したのかなあ」と思っていたがまったくの勘違い。
アメリカの人たちは「Daddy−Long-Legs」という単語からは、「昆虫」の蜘蛛を連想していたのだと思う。だからEva Ibbotosonさんは
 ” …it had absolutely nothing to do with insects! “
「その本は昆虫とは全く関係なかった!」と書いたのだ。

松本先生の講義を聞いていなかったら、疑問のままに終わっていただろう。

英語の手紙の終わりには疑問文が多い

教室の前にあるホワイトボードに松本先生は思い切り板書をされて、講義の準備。

「あしながおじさん」は手紙文で構成されているので、英語の手紙の書き方の勉強にもなる。

手紙の終わりに書く、
Yours respectfully
sincerely
always
affectionately
の違いは? 私なんかは、sinscerelyぐらいしか頭に浮かばない。

「あしながおじさん」の最初の手紙は
  Yours most respectfully,
         Jerusha Abbott
  To Mr Daddy-Long-Legs Smith

で終わっている。それがそのあとの手紙では

Do you think  you are?
  Yours Always,
    Jerusha Abbot

へと変化していく。最初のmost respectfullyはたいへん堅苦しい。
松本先生の話によると、「目下や召使の立場の人が主人に対して使う言葉で、alwaysは友人関係、sicerelyは一般的な使い方、affectionatellyは家族や親戚」に使うそうだ。

Jurushaは、自分の出す手紙には返事がないことを予め知らされている。なのにどうして最後に質問を書いて終わっているのだろう。松本先生の解説では、

「英語の手紙は疑問文で終わることが多い。私も最初は質問に答えようと手紙の返事を書いていたけれど、アメリカの人たちは疑問文で終わることで、相手とつながっていることを表現していることがわかりました」

なるほどねー。翻訳本やインターネットの解説だけでは知ることのできない話があって勉強になる。

スペインやドイツの旅で一緒だった人たちとも会えて、名古屋まで行って楽しく勉強できた。
毎月1回の講座、来月が楽しみだ。

 

 

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