ドイツグリム紀行11(3日目の5)

カッセル その3

img_3522これが以前のグリム博物館。まるで絵葉書をコビーしたかのような写真だが、ちゃんと私がiPhone6で写した写真。
この博物館の収蔵物は、私たちが見学した「グリム博物館 Grimm Welt」に2015年9月に移転している。
松本侑子さんはこちらの古い方の博物館を見学したのだろうと思う。

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img_3525グリム兄弟が住んだ家。
1824年〜1826年

カッセルは機関車製造の工業地として栄え、第二次大戦中は連合軍の爆撃を受けて壊滅的な被害を受けている。すべては戦後の再建されて、ほとんどの建物が新しい。
グリム兄弟が住んでいた、というパネルが貼られているが、この建物も再建されたものだろうと思われる。ドイツでは、戦争で破壊された建物の多くは、戦前の姿で再建されているものが多いという。

ここでグリム兄弟のカッセルでの生活を、松本侑子さんの資料により紹介する。父を亡くし、二人がカッセルに来たのはヤコブ13歳、ヴィルヘルム12歳の時だった。

「故郷の田舎シュタイナウからでてきた二人には、さぞかし大都会に見えたことだろう。身分の差が歴然とあった階級社会において、二人は身分のない庶民だ。しかも後ろ盾となる父も財産もない。そんな少年たちには、つらい経験も多々あったのではないだろうか。彼らが持ちうるものは、自らの努力だけだったのだ。
 その知性を頼みにして大学へ進み、社会へ出て立身出世しようとしたことは容易に想像できる。兄弟は母と伯母に迷惑をかけないように、そして立派な人になって母を喜ばせたいと、ギリシャ語、ラテン語などの勉強に熱を入れる。
 実際、彼らは努力に努力を重ねて優秀な成績をおさめ、本来は8年で卒業する中学高校に当たる学校を、わずか4年で終える。さらに兄のヤーコブは校長の推薦を受けて、マールブルグ大学へ進むことを許された。1年後、弟のヴィルヘルムも同じ大学に入る。十代の彼らの奮闘ぶりが、頼もしくもあり、また妙にけなげで、いとおしい。・・・・」

マールブルグの町の様子は、前回のブログに書いたとおり。下の写真は、グリム兄弟が住んだという家にほど近い市庁舎のある広場付近。

img_3529マールブルグ大学を卒業した後のグリム兄弟の足跡を、松本侑子さんの資料をもとに紹介する。

「マーブルグ大学で学生生活を送った後、グリム兄弟は、中学高校時代をすごしたカッセルへ戻る。というのは、シュタイナウにいた母、弟たち、妹がそろってカッセルに移り住んできて、一緒に暮らすことになったからだ。
 兄ヤーコブは恩師とともにパリでしばらく研究したあと、大学を中退して、1805年にカッセルに戻った。弟のヴィルヘルムは学位を取り卒業した1806年にカッセルへ帰った。
 ヤーコブは、収入のない家族の生活を支えなければならない。4人の弟と妹を学校へ行かせなければならない。そこでヘッセン国の陸軍師団の書紀として務めることになった。当時のヘッセンはナポレオン軍と戦争中で、彼は司令部の事務方として働いたのだ。だが1806年、ヘッセン国はフランスに占領され支配を受けるようになる。
 フランス語に堪能だったヤーコブはフランス軍政府のもとで働くことになったが、異国のフランス人に仕えること、古代ゲルマンの研究ができないことを嫌って退職した。弟のヴィルヘルムは戦時の混乱中で、仕事が見つからない。ふたたび一家の収入はとだえ、食事も貧しくなっていく。そんな困窮のなか、兄弟の行末を楽しみにして励ましてくれていた最愛の母が亡くなる。功成り名遂ぐ前に父母を失ったことは、後々の兄弟にとって痛恨だったことだろう。
 続いてフランス占領下のヘッセンは、ナポレオンの弟ジェローム・ボナパルトが国王として君臨するようになる。ヤーコブは王の私設図書館に司書の職を得た。幸い職務は少なく、研究に没頭できるようになった。
 兄弟はカッセルに帰った1806年ごろから、ドイツの童話の収集を初めている。ドイツの領邦が、フランスに侵略された時代に、ゲルマンの昔話を集めて民族の文化的な統一意識を誇りを持とう、ゲルマン民族のアイデンティティを追求しよう、という意識が、彼らだけでなく社会全体にあったのだ。 ・・・」

グリム兄弟によるドイツ童話の収集のことについて、松本侑子さんの資料があるが次の機会に紹介することにしよう。

img_3531カッセルの中心部は、ヨーロッパの街によくある風景。
フォルクスワーゲン、メルセデス・ベンツが当たり前のように走っている。
私たちの乗っていた観光バスもベンツ製のバスだった。

img_3533おや? ジェラシックパークに紛れ込んだのかな?

img_3535自然科学博物館?のような建物だった。

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img_5725カッセルの町をあとにして、バスは農園地帯を横切っていく。
広い畑は刈り取られたあとのか、これから種まきがあるのか。働く人の姿もトラクターなどの車も見えない。
太陽光発電のパネルを屋根一面に取り付けた家が、畑地のあちこちに見える。
最近のドイツの家は、家自体の断熱効果を高めることによって、暖炉などの暖房器具やクーラーなどの空調設備がなくてもいいような建設方法が取り入れられているそうだ。
国を挙げて、自然エレルギー利用に取り組んでいるように見える。

さて、私たちが目指しているのは、グリム童話「眠り姫」のお城。
近代的なドイツから、過去にさかのぼったドイツに向かっている。

 

 

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