カッセル その1
カッセルとシュパルムシュタットの位置関係は上の地図の通り。
ここでグリム兄弟は約30年くらい暮らしている。
20代に「グリム童話」を書いたのがこの町なのだ。
前回は「大学の町、マールブルグ」の様子を書いたが、グリムの時間軸を整理すると、
・「ハーナウ」で生まれた兄弟は、父の栄転により
・「シュタイナウ」に転居する。
そして父の死によって、生活が困った兄弟は、
・「カッセル」に住む伯母に引き取られる。
ここで勉学に励み、
・「マールブルグ」の大学で学ぶことになる。
大学を卒業した兄弟は、中学高校時代を過ごした「カッセル」に戻ってくる。
「カッセル」は「メルヘン街道」の中心となす町で、兄弟の弟たちが住んだ家、グリム博物館もある。上の写真はカッセルにあるグリム兄弟の像。
ヴィルヘルムスヘーエ(Wilhelmshohe)公園
カッセルの町に行く前に立ち寄ったところが二つ。
一つはこの写真の「ヴィルヘルムスヘーエ公園」にある「ヘラクレス像」。丁度修復工事中のようだった。
松本侑子さんの資料より。 「・・・・この古城からさらに丘の天辺を見上げると、山を覆いつくす木立の果てに、またしても巨大な像が見えてくる。それを目指して頂上まで山道を車でのぼっていくと、またも目を疑うような建造物が現れた。ギリシャ神話の勇者ヘラクレスの馬鹿でかい石像を載せた城塞があったのだ。悪趣味というか古典趣味というか、、、、。さらには、この要塞から下っていく丘の斜面には、幅広の岩の階段が長々と造られているのだ。その石の段々を水が流れへは下へおり、また下の岩へおりて、数十段もの人工滝になっている。しかもこの滝は、カッセルの街中へ続く大通りと一直線につながるように設計されているのだ。山も城も街も一体化させた都市計画、宮廷造園である。かつてのヘッセン国カッセルが豊かに栄えていたことを実感させる。宮殿の城にある滝のある山を、ヤーコブとヴィルヘルムの二人も、春の新緑、夏の深い青葉、秋の紅葉のなかを歩いたことであろう。この山城公園は機会があれば訪ねられることを勧める、、、、。」
私たちが訪れた時は修理中のためか、水は流れていなかった。
説明にあった「カッセルの町中へ続く大通りと一直線につながる」ということがよくわかる。
上の写真の真ん中奥にある建物が、ヴィルヘルムスヘーエ宮殿。この宮殿でグリム兄弟の兄、ヤーコブがこの宮殿の図書室に勤務していたという。残念ながら私たちはこの宮殿の見学はしていない。
左の冊子は、この公園の売店で見つけたもの。色んな国の言語で印刷されていたが、日本語はなかった。しかし英語のパンフがあったので買った。
「Water works in
Wilhelmshohe Park」とある。(oはウムラウトがつくのだがフォントが表示されないのでご容赦を)
写真の説明には、「The treatment of water in the evolving garden art of the 18th century 」と書かれている。
18世紀のもので、水の芸術で有名ということらしい。パンフの中を見ると、
真ん中の建物の上の像が、私たちが見たヘラクレスの像。こんなふうに水が流れているのだろう。
これは工事フェンスの周りに張ってあったパネルの一部。修理がおわるとこのような噴水も見ることができるようだ。水の芸術の呼ばれるゆえんだろう。
続いてやってきた二つ目の場所。昼食のレストラン。
山の中腹にある静かなレストランだった。
前菜からデザートまで。ドイツの伝統料理を楽しんだ。
屋根には風見鶏があった。 今回の旅ではいろんな風見鶏を見た。
ドイツの建物と空には風見鶏が似合うようだ。
食事も終えて、私たちはカッセルの町へ移動する。
グリム博物館の見学だ。