ドイツグリム紀行8(3日目の2)

シュパルム地方(シュパルムシュタット)

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バスから見える風力発電の風車が多数。 家々には、太陽光発電のパネルが屋根に並んでいる。自然エネルギーの活用をすすめていることがわかる。

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私たちが向かっているのは、左の地図にある「シュパルムシュタット」。

「海外旅行準備室」というホームページに左の地図があった。
その記事からの引用。

シュバルムシュタット (Schwalmstadt)アルスフェルトの北20kmにある小さな町が点在する地域です。
この地域の頭巾のような伝統衣装と、フランスから伝わった話をグリム兄弟が童話化した「赤ずきん」の物語から「赤ずきんの故郷」となっています。
郷土博物館で伝統衣装や昔の生活用品などを見ることができます。

http://www.i-wanna-travel.com/r5-germany06.html

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 ここが郷土博物館あるいは民俗博物館とよんでいるところ。
MUSEUM DER SCHWALM
とかいてある。

中高生ぐらいの子どもたちが、グルーブでこの町のなかを歩いている。
手にはワークシートのようなものをもっていて、時々メモ書きをしている。社会見学かフィールドワークのようなものなのだろう。歴史のある地域の見学かもしれない。

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img_3346学生たちはこの博物館の中には入っては来なかった。外からの町の見学のようだ。

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博物館のガイドさんはすごく熱心な人。写真の白い髭の人で、私たち日本人に言葉が通じているかいないか関係なく細かに説明をしてくれた。それを日本語に翻訳してくれたツアーガイドさんに感謝。松本侑子さんの資料によると、

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「見つけた博物館は、展示品が充実していた。次々と大型パスでドイツ人の団体客が訪れ、小さな館は一杯になる。素朴で精密で美しい手工芸品、昔の靴職人の靴作り、当時のろくろの陶磁器づくり、古い時代の編物や刺繍の品々。手芸と陶芸が大好きな私はショーケースに顔をつけ、むさぼるように次から次へと見てまわった。庶民の心のこもった丁寧な手仕事、祖母から娘へ、またその娘へと受け継がれた編み方、刺繍の糸目の確かさに、ドイツの女たちの息づかいさえ感じられるようだった。民族衣装は手のこんだ仕事を施した貴重な品であり、親から子どもへ、孫へと、装束そのものが受け渡されることもある。これもまた慈愛に満ちた血脈の流れを思わせる。
赤ずきんにちなんだ軽薄な観光地であったらと不安だったが、杞憂であった。ドイツ農村の暮らしを丁寧に見せてくれる小さいながらも、うまく造られた古い館の博物館であり、こうした道具を使っていた昔々の農民たちが、メルヘンを語らい、民謡を歌い、踊ったのだと、ドイツ農民のくらしぶりをありありと想像し、何か温かいものさえ受けとった。窓口の人たちも誠に親切であった。」

img_7164これがこの地方に伝わる赤ずきんちゃんのモデル。松本侑子さんの解説は・・・

「このシュパルム地方では、独身の女性は、赤い帽子を見につける。帽子といっても、拳ほどの大きさの箱状の小さなものだ。上から見ると、楕円のかたち。下へ行くほどに楕円が小さくなって、楕円の円錐をさかさに伏せたような不思議な帽子だ。それを黒いリボンにつけて、頭の天辺にのせ、首の下でリボンをむすぶ。結婚した女性は、同じ形の、しかし黒い帽子を頭にのせる。未婚と既婚で色が違うのは、帽子だけではない。結婚していない娘さんは、肩に掛ける小さなスカーフも赤。夫のいる奥さんは、黒いスカーフ。
白いブラウスに黒い上着を羽織り、上衣の上から、華やかな色刺繍を施した飾りをあしらう。刺繍に赤い色が多いほど若い娘さんのようだ。そして黒いスカート。スカートの下には白いペチュコートを何枚も重ねてふくらみを出している。腕には白くて細い木綿糸を編んだレースの長い手袋。足にも同じく白い木綿糸をレース編みにした精巧な長い靴下。金のバックルのついた黒い革靴。なんとも愛らしくててのこんだ衣装である。
村の祭り、結婚のお祝いといった村人たちが集まる催しに、女たちはこの衣装を見につける。男も民族衣装である。まだ夫のいないぴちぴちした娘たちは、まぶしいほどの赤を、帽子に、スカーフに、飾りにと、ふんだんにまとい、ほっぺもますます紅く、若さがいよいよ花のように輝いたことだろう。とにかくこの娘さんの赤い帽子つき伝統衣装から、緑の牧場がどこまでも続く鄙びたシュパルム地方の田舎が、赤ずきんの里とされている。」

img_3381赤ずきんちゃんのモデルとなったこの地方の「赤ずきん」は、防空頭巾のような頭巾ではなかったのだ。
日本の多くの親や子どもは、赤ずきんちゃんといえば防空頭巾のような頭をすっぽりと覆うスカーフをかぶったような姿を想像しているに違いない。
ちなにみ「赤ずきんちゃん」の物語は、英語では「Little Red Riding Hood」。これをそのまま翻訳すると、「小さな赤い乗馬用の帽子」となる。どちらにしても防空頭巾のようなものではないことがわかる。

現地に来てみてわかる話がよくあるが、この赤ずきんちゃんもその例である。
思い込みや、勝手な想像も楽しいが、物語の出発点となったモデルを知ることもおもしろい。

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この町はかつては、城壁と堀に囲まれていた町らしい。
上の写真はこの博物館にあったジオラマ。堀に囲まれた街の様子がわかる。

そして村の中心付近の公園にあった、金属製の模型。町の様子が立体的にわかるようになっていて、さらに点字で説明がある。

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このように点字でかかれている。 私たちがこの町に来て、博物館を見学しているとき、ドイツ人の学生以外の団体客はみなかった。しかし、松本侑子さんの経験ではたくさんの見学客が訪れているらしい。その人達のために、点字の説明があるのかもしれない。
この町の人達の生き方がわかるような気がした。

さて、グリム童話の赤ずきんの村での勉強を終えて、グリム兄弟が暮らしたカッセルの町にむけて、バスは出発する。

 

 

 

 

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