見えない、見えにくいってどういうこと?

IMG_20160406_0002図書館で、左のような案内を見つけた。

大人のための
「触って」「聞いて」
楽しむ、「わかる!」体験

とある。
内容としては、
◯見えない・見えにくいってどういうこと?
◯点で描く絵って? 点に「触る」体験
◯伝える・伝わる「読み」の体験
◯「点訳」・「音訳」ボランティアについて

とあった。以前から点字に興味があったので、この体験講座に行ってみることにした。

IMG_20160406_0001

場所は「堺市立健康福祉プラザ」にある「視覚・聴覚障害者センタ−」。このセンターは福祉プラザの二階にある。

建物はJRの「百舌鳥」と「上野芝」の中間ぐらい。
大仙公園の西はし、近くに履中陵古墳がある。
駐車場が完備しているので車で行くことができた。
上野芝はかつてよく行った場所だが、すっかり変わっていた。

私たちの参加する体験講座は三階にある大研修室で行われた。

私自身はこのような視覚障害に関わっての研修会に参加するのはほぼ初めてといっていい。私を含めて七人の参加で、私以外はみな女性だった。講師の人たちもすべて女性だった。

私が体験したことを簡単に紹介する。詳しい内容はぜひとも自分で体験を。

体験その1 体内時間

目をつむって10秒を数えてだれが一番正解に近いか、というゲームをした経験がある人は多いだろう。ここは48秒からはじまった。
私は正解から20秒近く長かった。
続いて1分18秒。一番最初に手を上げた人と最後の人の間には30秒近くの差が出てきた。
最後に15秒。これはほぼみんな接近していた、と講師の人は言う。
ここでは、「一人ひとりの体内時計が違う」こと、そして「時間が長いほどその誤差が大きくなる」ということ。
つまり目の不自由な人にとって「ちよっとここでまっていて」という曖昧な表現は、時間が長ければ長いほど不安を与えるということを体験する内容だった。

体験その2 逆さま言葉

続いての体験は、講師の人が「逆さまに言った言葉」を読み取るもの。
たとえば、「ずんれとくたんこ」。
「うん?、えっ?」と思っているうちに正解を出す人が。
「コンタクトレンズ」
人間の獲得する情報は80%は視覚によると言う説明が。
「さんいちよんろく」
これも「えっ?、なに?」と思っていたら、
「ろくよんいちさん」「6413」という数字のこと。
数字も反対に読まれると、とっさにはわからない。
耳からだけの情報は、言う方も聞く方も訓練がいることを実感。

体験その3 視野狭窄メガネ

このメガネを掛けると、視野狭窄を体験できるというもの。
IMG_0008IMG_0010

上の写真は私が家に帰ったから作ったもの。
写真のように片方しか見えず、しかも見える方の視野は極端に狭まって見える。ごく一部しか見えない。ここで二人ペアでのゲームをする。
一人がある単語を違う言葉で説明する。
たとえば「キャベツ」なら、「野菜」「春」「緑」「せんぎり」など。
上の視野狭窄のメガネを掛けた人がその言葉から連想するものを言う。「キャベツ」という正解が出からOKの合図。合図が出たらメガネを掛けたまま部屋を出て、廊下の机の上の並べてある解答用紙のなかから、自分のものを探しだす。というもの。
視野の狭い状態で書かれた文字を読み取ることは思った以上に難しい。しかも紙には大きな字で書いてあったり、小さな字て端に書かれてあったり、字もぐねぐねと曲がっていたり、おまけに「きゃべつ」「キャベッツ」などと間違いやすいものが紛れていたりと、悪戦苦闘する人もいる。
「声をかけられて声のする方を向いて、自分の視野に入った時は認識できても、その人が突然座ったりすると、もうどこにいるかわからなくなる」
「受付用紙に自分の名前を書くことができるのを見て、あら目が見えないと言っていたのに見えるのね、と不審がられる人もいる」
という説明を聞いて、自分が見える通りに人も見えているという思い込みに気付かされた。

体験その4 アイマスク体験

アイマスク体験というのはよく体験講座でおこなわれているもので知っている人も多いと思う。
私が学んだのは、視覚障害の人でなにか困った様子をしているのを見て、声をかける時は、離れたところから近づきながら「何かお困りですか」などと声をかける方がいいということ。
突然自分の目の前で、知らない声が話しかけてきたという違和感や恐怖感を取り除くため。なるほどと思う。

体験その5 ブラックボックスの中は

両手が入るブラックボックスがある。その中に一つの物体が入っている。触ってみて入っているものをできるだけ詳しくことばで説明する。そしてその説明をメモに書いておく。
ブラックボックスに他の物をいれて複数にして、違う人がメモを聞きながら複数入っている物から、最初に入っていたものをあてる、と言うゲーム。

テレビで見るようなどっきりものかな?と思っていたら、私が触ったものは何か小さな人形か複雑な形のものなのでびっくり。触っていても見たことがないようなものなのでうまく説明できない。全体の大きさ、でっぱりぐあい、凹んでいるところなどを説明しても、実際のものが何かわかっていないので説明も自信がなくなってくる。

私が触ったものは、鯉のぼりの上に金太郎が立っているような小さな人形だった。見たらすぐにわかるが、手の感触でそれを説明するのは本当にむずかしい。

体験その6 点字に触ってみる

アイマスクをして、実際に使われている点字に触れてみるというもの。

触ってみると、「こんなにちいさいものか?!」とおどろく。
目が見えず、指先だけに神経を集中していると、頭がくらくらしてくる。

IMG_20160406_0007

IMG_20160406_0006

上の二枚の資料は点字一覧表の一部。
初めて知ったことは、「点字は裏返した状態で書く」ということ。
「右から左へ」「裏返して」ということはまったくしらなかった。
裏から紙を押して凹みをつくり、ひっくり返すと表に凸の文字が浮かび上がるのだ。そうすると左から右へと、私たちが活字を読むように点字が読めるようになる、なるほどなあ、点字を目にする機会は多くなったが、点字を打つところは想像したことがなかった。

体験その7 ロガトム表を読んでみよう

電話交換士さんが発声練習に使う「ロガトム表」をつかって、よく聞く、よく話すことを体験するというもの。

IMG_20160406_0004

ロガトム表には全く意味のない二つの言葉がならんでいる。

たとえばAには、
べーぽー
とーびゅー
ちゅーぺー
つーじゃー
しょーぱー
ぎーすー

の6文字が並んでいる。

これを参加者が順に読んで、それを聞き取って紙に書いていく。
正しく聞き取れてものはいくつあるか調べてみるというもの。

このことで、

「正しく聞き取る」だけでなく、「正しく聞き取りやすいように発音すること」の大切さに気づというものだった。

人にわかってもらうように話す、発音することのむずかしいこと。
人の前で話す機会の多い人には、このロガトム表の存在を知ってほしいと思った。

IMG_20160406_0003

午前10時から、お昼休みをはさんで、午後3時までの体験講座だった。
この体験講座の最後には、「点訳」「音訳」の紹介があった。

視覚障害者の人にとって大切な点字、そして「音訳」された本や資料。その多くがボランティアによって支えられている。
何か自分でできるものはあるかなあ、と考えさせられた体験講座だった。

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です