ポルトガル紀行 8

ポルトガル三日目
        コインブラ②

IMG_8391

IMG_8395

IMG_8393

IMG_8431

歴史を感じるホテル。「キンタ・ダス・ラグリマス」。18世紀の貴族の館を改修してホテルにしたもの。
さて、ポルトガルの悲恋の物語は、「ペドロとイネスの悲劇」。
時は14世紀。この話の主人公はペドロ1世。
ペドロ1世の子がジョアン1世。そしてジョアン1世の子どもにエンリケ航海王子がいるという系図になる。
ペドロ1世は、父ドン・アフォンソ4世、母ビアトリシュ・カステラ女王の間に生まれた嫡子。次の国王になることは決まっていた。
ペドロが結婚適齢期になると、父ドン・アフォンソ4世は隣国の貴族の娘ドナ・コンスタンサ・マノエルと結婚させることにした。政略結婚であり、ペドロは全く乗り気ではなかったが、従わざるを得なかった。ペドロは妻を愛さず、狩猟に熱中していた。
ある時、妻コンスタンサの侍女イネスを見て、一目惚れしてしまう。

IMG_8438

二人の恋はたちまちのうちに周知の事実となる。王は二人を引き離すが、隠れた恋は続く。
二人が暮らしたとされている館の跡がこのホテルの敷地に残っている。それが左の写真。

二人が密かに恋を語らったとされている泉が「愛の泉」。下の写真の門の後ろに見えている祠のようなところの中にある。

IMG_8435

妻マノエルが後のフェルナンド1世を産み亡くなると、二人の恋は公然化する。それに危機感をおぼえ、反対する貴族たちの動きが活発化する。
この危険を取り除くのは、イネスの死しかないと王に訴えはじめる。
王はしぶっていたが、ついにイネス暗殺の命令を出す。
ペドロが留守の間を狙い、イネスと二人の間の子どもを暗殺したのがこの地。「涙の泉」といわれて残っている。イネスの流した血でこの泉ができたと言う伝説が残った。

IMG_8447

IMG_8442

IMG_8452

IMG_8446

涙の泉の横にある石版には詩が刻まれている。

モンテゴの妖精たちは涙を流し続け
彼女の悲しい詩を記憶に刻み込んだ
そして永遠の記憶を求めて
流された涙は美しい泉となった
あの処刑の場所にできた泉に
妖精たちはイネスの愛という名をつけた
泉は今でも湧き続けている
見よ、なんと清らかな泉が
花々に水を与えていることか
愛という名の泉から流れる涙の水を

「愛の泉」も「涙の泉」も、今はホテルの広い公園のような敷地の中に静かに眠っている。
 イネスの暗殺を怒ったペドロは、王に反旗をあげようとするが、母の説得で矛先を収める。 年老いた王の死後、王となったペドロ1世は復讐をはじめる。
 イネス暗殺に手をくだした貴族を捕まえ処刑する。そしてイネスを墓から掘り出し、王妃の座に座らせ、貴族たちに忠誠の誓いとして、亡くなっているイネスの手にキスをさせるなど、女王としての敬意を払うように命じたと伝わっている。
 この悲恋の主人公ペドロ1世は「残酷王」とも「正義王」ともいわれている。自分の立っている立場によって正反対の評価となっているのだろう。ペドロ1世の治世の時代は、ポルトガルの社会としては安定したのは事実のようだ。

イネスの遺骸はサンタ・マリア修道院に移され、美しい棺の中に眠っている。
それにかかわる話は、サンタ・マリア修道院を見学した後に紹介するつもりである。

ペドロ1世の後の王位は、先の妻のマヌエルとの間にできたフェルナンドが継ぐ。
フェルナンドが子どもをもうけずに亡くなったので、後継者はペドロ1世がイネスの後に愛したテレサ・ロレンソとの間の子どもジョアンとなり、アヴィス朝をおこす。そしてエンリケ航海王子へとつながっていくのである。
「悲恋」といえばロマンチックだが、なんとも、複雑で愛憎渦巻く歴史である。日本も含め、 王朝という名のつくところは同じような歴史を刻んでいるのだと思う。

ちなみにこのホテルの名前「QUINTA DAS LAGRIMAS」は日本語に直すと「涙の館」。

IMG_8444

「涙の泉」から溢れだした水は、大きな池に注ぎ込んでいる。
池の向こうに見えるのが私たちが泊まったホテル。

IMG_8417

IMG_8418IMG_8419

夕食は魚のスープ、
ポークロイン、
そしてデザートのプリン。
食事の後に夜空の星をたのしもうとしたが、夕方には月が見えていたのに雲が夜空をおおっていた。
ポルトガルでの星空は、お天気に邪魔をされているという感じで、楽しむことができなかった。

朝食には野菜もたくさんあり、静かなブレックファーストを楽しめた。

IMG_8423

IMG_8420IMG_8424

IMG_8456 IMG_8457

ホテル側にはプールがあり、前の庭にはオレンジが実をつけていた。 春にはさぞかし美しく花が咲き乱れるのだと思う。

さて、ポルトガル4日目、コインブラから南へ90km。バターリャに向かう。

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です