スペイン「カルメン」紀行12

闘牛場とカルメン

フラメンコのショーが終わって一夜明けた。今日はセビーリアの市内観光。

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出発前の散歩。朝の気温は16度。スペインは日本と同じ摂氏を使うのだと気付く。
自転車専用の道がある。ホテルの前の植え込みは手入れが行き届いている。

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セビーリア1

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スペインも秋のはずだが、色づいた葉はあまり目につかない。
さて、「カルメン」に登場する「闘牛場」がここ。闘牛士もメリメの「カルメン」とビゼーの「カルメン」とでは全く違っていると松本侑子さんの説明。

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この旅のガイド役ともなった松本侑子さんの本「ヨーロッパ物語紀行」を見てみよう。

「カルメンが思いを寄せる闘牛士は、正反対と言っていいほどちがっている。オペラの闘牛士は堂々としたマタドールぶりで、勇ましく力強い。バスの歌手がスパンコールのついたきらびやかなジャケットを着こなし、人気絶大なるスター闘牛士のほこりを雄々しく歌っている。
一方小説のルカーは闘牛の腕は今ひとつ。牛にはね上げられて負傷する。そんなふがいない男をカルメンは好きになり、ホセを捨てるのだ。
 彼女が男前の闘牛士に心変わりをするオペラの人間模様はわかりやすいが、意外と、原作のように、平凡で、どうしようもない男に惚れるカルメンこそ、かえって現実味はただよっていよう。
 小説とオペラの最大のちがいは、ホセとカルメンのあいだに流れる空気だろう。
オペラでは、経験をつんだベテランの歌手、どちらかというと恰幅のいい体型をした中年の有名歌手が、別れる、別れない、自分を捨てるならお前を殺す、じゃあ殺せと、太い声で熱唱する。どうしても中年男女の痴情のもつれのようになり色っぽくなってしまう。
 ところが原作は、もっと淡々としているのだ。恋の高揚も、嫉妬も、未練も書き込まれていない。そっ気ないほどである。声高に思いを歌い上げるのではなく、ひとりごとのような淡さ。簡潔ですがすがしさえただよっている。
・・・・・・・・略・・・・・・・・
そもそも二人の年齢が、ぐっと若い。原作のカルメンは二十代。ホセも二十代後半と思われる。この小説は、若者の激しさが持ち味なのだ。恋の情欲にかられて死の破滅へ突き進んでいく二人には、無謀さとともに、若さがもたらす潔さも、どこかただよっている。原作の清冽さ、物足りないぐらいの簡潔さ、青い固さが、私は切なく美しく思える。神を畏れず、近代的な道徳観にも縛られないカルメンという女が、愚かさも狡さもひっくるめて愛しく感じられてならない。」(P133〜P134)

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上の写真は闘牛場前の道路をはさんで向かい側の川沿いにある「カルメンの像」。
原作のように若々しさと情熱さがあふれている像だ。

私たちはイザベル二世橋をわたってトリアナ地区に入っていく。

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イザベル二世橋のたもとに建つ「カルメン礼拝堂」。
ガイドさんの案内でしばらくこのトリアナ地区の散策を楽しむことにしよう。
トリナアは、ドン・ホセがカルメンに「故郷のお兄さん、おいしい揚げ物が好きでしたらトリアナのリリアス・パスチアの店で召し上がれ」と誘われたところ。
さて、どんな街なのだろう。

 

 

 

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