マッサン

人生は冒険旅行

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NHKでマッサンのセット公開という案内があったので見に行った。
(セットの写真はクリックすると拡大する)
お客さんがひっきりなしに見に来てきた。さすがマッサン人気。
マッサンもいよいよ最終週。
私は生まれて初めて、NHKの朝ドラを半年間見通した。
これまでは仕事があったので見る機会は全くなかったが、聞いてみると好きな人は土曜日にある一週間分の放送を見ているそうだ。
そうであっても、毎日朝ドラを見よう、あるいは1週間分の放送を見ようという意欲はこれまではまったくなかった。
しかし、マッサンは違った。見逃すまい、用事のある時はビデオに録画してその日のうちに見るようにしていた。人生はチャレンジとアドベンチャー。恋と冒険の物語。番組に惹きこまれてしまうほどおもしろかった。

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ニッカとは何か縁を感じていた。数年前に仙台の宮城峡蒸溜所に行っていた。そこでリタさんのことは知った。その時に写した写真を見なおしてみると、ポットスチルには番組通りに注連縄がまかれている!
またマッサンのモデルになった大阪の酒造会社が南海高野線の住吉東駅付近ということも、この番組を見る後押しになった。

その住吉区の主催で、あべのハルカスでの「竹鶴政孝とリタ展」に行ってみたが、いろんな資料が展示されていて楽しかった。

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リタさんの樟蔭高等女学校の卒業アルバムやマッサンの契約書などのコピー、西洋建築の模型などもあり、当時の様子を想像することが来た。 

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番組が始まる前に、森瑤子(もりようこ)さんの「望郷」も読んでいた。

原作と全く同じ話にはならないとわかっていたが、読んでみると「は〜っ、すごいなあ。大正時代に日本に来て、第二次世界大戦を経験したスコットランドの女の人がいたのか」「大正、昭和の時代に竹鶴政孝のような男の人がいたのか」とびっくりもした。仙台でもう少しリタさんの知識を仕入れていたら、と思ったがそれは後の祭り。

予想通り、マッサンは「望郷」や史実とは違った展開をして、それがまたおもしろかったのも事実だ。

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マッサン人気にあやかるかのように、多くの本が出されている。私が読んだ植松三十里さんの「リタとマッサン」はそういった本ではない。
植松三十里さんを知ったのは、カナダへの「赤毛のアン」の旅でお世話になった翻訳家の松本侑子さんのホームページ。そこに松本侑子さんがこの本の後書きを書いたという記事があったからだ。
「リタとマッサン」を読んでみると、この本はもともとオルビスという通信販売のカタログ冊子に連載されていたシリーズの中に書いた「リタさん」の記事を元に小説にしたものとわかった。その連載を本にした「時代を生きた女たち」も読んでみた。この本がすごい。植松三十里さんのホームページから引用すると、
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本書に登場する女性は、江戸後期から平成を生きた三十五人。日本女性初の五輪メダリスト・人見絹枝、西郷隆盛を支えた奄美の妻・愛加那、「鹿鳴館の名花」と讃えられた大山捨松など、それぞれの時代を力強く生きた彼女たちの姿は、生まれや育ちが幸せな人生に直結しないこと、人生はいつでも挽回できることを私たちに教えてくれる。
この中に、あなたが目指す女性が、きっといる。ひとりひとりの生き方を、まずは読んでみていただきたい。
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この本の11番目に「竹鶴リタ 日本のウイスキー産業の母とまで呼ばれたイギリス女性」として紹介されている。目次を見てみよう。

チャレンジした女たち
1.大浦お慶 茶貿易の先駆けとして巨万の富を築いた長崎の女傑
2.大山捨松 鹿鳴館の名花と呼ばれた日本初の女子留学生
3.松旭斎天勝 明治時代に世界で活躍した天才マジッシャン
4.天野わかの 夫に支えられた初の女性名工になった輪島の漆器作家
5.兵藤 精 大正ロマンの時代に大空に挑んだ女性初パイロット
6.知里幸恵 ユーカラの記録に命をかけたアイヌの天才少女
7.人見絹恵 短い生涯を駆け抜けた日本女性初のオリンピック・メダリスト

愛に生きた女たち
8.楢崎お龍 最愛の夫・坂本龍馬を暗殺で失った波乱の生涯
9.磯松 幕末の動乱の中で命をかけた桂小五郎との恋
10.岡本かの子 個性派作家は人気漫画家の妻で前衛芸術家の母
11.竹鶴リタ 「日本のウイスキー産業の母」とまで呼ばれたイギリス女性
12.小森和子 恋をして好きな仕事をして人生盛りだくさんの映画評論家
13.山崎富栄 言われなき非難を浴びた太宰治の心中相手

運命を受け入れた女たち
14.皇女和宮 朝廷との仲立ちをつとめ江戸開城に尽くした大奥最後の主
15.若松賤子 教師として立ち母として生きた「小公子」の翻訳家
16.川島芳子 男装し日中戦争の狭間で暗躍した清朝皇族の姫
17.沢村貞子 波乱の末に人生後半を捧げる伴侶に巡り会った名脇役
18.安井かずみ 時代をはるかに先駆けてスタイリッシュな生涯を貫いた作詞家

家族を支えた女たち
19.滝沢 路 「里見八犬伝」を口述筆記した滝沢馬琴の息子の嫁
20.愛加那 奄美大島に流された西郷隆盛を支えた島妻
21.野中千代子 富士山頂での気象観測のため夫とともに越冬に挑んだ明治女性
22.クーデンホーフ光子 ボヘミアの伯爵家に嫁ぎ七人の子を守り通した強き母
23.与謝野晶子 11人の子を持ち筆一本で家計を支えたワーキングマザー
24.麻生和子 吉田茂の娘で麻生太郎元首相の母だった美しき女傑
25.長谷川町子 大人も子どもも楽しめる「サザエさん」の作者

人のために生きた女たち
26.太田垣連月 これでもかという不幸続きの末に才能を開花させた歌人陶工
27.岸田俊子 元海援隊士と結ばれた自由民権運動の美貌の弁士
28.石井筆子 知的障害児の母として福祉の扉を開いた明治の教育者
29.長谷川時雨 美人作家の華やかな前半生と人に尽くした後半生
30.澤田美喜 二千人もの日米混血の子どもたちを救った三菱創業者の孫娘
31.徳川幹子 戦後の農地開拓に身を投じた最後の将軍の孫

日本ゆかりの女たち
32.イザベラ・バード 明治初頭に日本の北の山里を旅したイギリス人
33.プリンセス・カイウラニ 日本の皇室との縁談もあったハワイ王朝最後の王女
34.ベアテ・シロタ・ゴードン 日本国憲法に男女平等を取り入れたアメリカ人
35.ベラ・チャスラフスカ 東京オリンピックの名花がたどった壮絶な道

知っている人のほうが少ないくらいだ。読んでよかったと思う。
竹鶴リタさんは知る人ぞ知る、という人だったのだ。
モデルが素晴らしい生き方をしているから、リタさんをモデルとしたエリーさんが活躍するドラマは多くの人の心を掴んだと思う。

オープニングの歌、中島みゆきさんの「麦の唄」が行進曲となってドラマの世界に誘ってくれたのもこの番組を見続けた原動力の一つだと思う。中島みゆきさんの歌は、「時代」から「地上の星」そしてこの「麦の唄」と時代を超えて、そして同時代の人々の背中を押し続けてくれている。

番組に流れるメロディーは富貴晴美さんの作曲。今年30歳の若手の作曲家。これも素晴らしいので、ツタヤでオリジナルサウンドトラックを借りてきた。

http://www.harumifuuki.com/music/

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人生を彩る様々な出来事、赤毛のアンのように曲がり角の向こうにきっと何かいいことが待っているに違いないと思う前向きな生き方、背中を押してくれる人たち、音楽、「だいじょうぶ」といつもはげましけくれるエリー。
朝の15分間、人間の素晴らしさを思い起こさせてくれるドラマだ。
人生を生き、様々な体験を通して成長し、小説を書いたり、作曲したり、歌を歌ったり、笑ったり、泣いたり、明日を夢見ること、これらのことは人工知能ではできないことだと思う。
人間が人間として生きていくために芸術はあると思う。そんなことを考えさせてくれるドラマ「マッサン」。残りは1周間、最後まで見よう。