長谷川集平講演会

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11月3日に上六にある「たかつガーデン」で、長谷川集平さんの講演会があった。 三連休の最後、しかも文化の日。会場は満員だった。 当日に知人のFacebookを見て駆けつけてきた人や、神戸から来た親子連れなど多くの人が集まった。 私は昨年に集平さんとクン・チャンのロックLIVEを見に行っていたので、お話を聞くいい機会だと思って申し込んでいた。

代表作の「長谷川くんきらいや」は、私が勤めをはじめた職場の若い仲間の間では有名な絵本だった。衝撃的な絵本、という評判だった。

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集平さんの講演は、ご自分の本を読みながら、解説を付け加えていくという方法で進められた。
これまでの講演は「長谷川くんきらいや」に時間的な配分が行ってしまっていたので、今回は長崎に引っ越してからの第二ラウドに中心において話したいと前置きがあった。

「長谷川くんきらいや」は、集平さん二十歳の作品だから、やはり衝撃的なデビューであったことにまちがいない。
紹介された本は、
「トリゴラス」「トリゴラスの復讐」
「日曜日の歌」「パイルドライバー」
「ホームランを打ったことのない君に」
「大きな大きな船」「小さなよっつの雪だるま」
「れおくんのへんなかお」「およぐひと」
そして最新作の「アイタイ」だった(と思う)

トリゴラス1

講演会で集平さんが紹介された火野正平さんの朗読が、インターネットにアップされているのを発見した。絵もすごかったけれど朗読も迫力がある。

https://www.youtube.com/watch?v=ZhnzPE5Tpbg

写真のホワイトボードにゴジラの絵がかいてあるのは、集平さんがこのトリゴラスの説明の時に使ったもの。トリゴラスの模型が展示されていたのもおもしろかった。

 

ホームランを打ったことのない君に

パイルドライバー

れおくんのへんなかお

パソコンを使って絵を描いたという「ホームランを打ったことのない君に」。

「パイルドライバー」– 絵本でプロレスが登場する作品はこれまでなかったそうだ。この絵本の最後の方では多くの女性の参加者が笑っていた。
「れおくんのへんなかお」の背景には、集平さんの知人で、もんじゅ」を設計した人がいるとのことだ。友人だけには見せたい自分の姿がある、それができなくなったら・・・。

また「大きな大きな船」では、三原色だけで絵を描いてみるなど、手法も様々な変化があることを知った。

日曜日の朝 本になるまでの過程でおもしろかったのは、「日曜日の歌」だ。
集平さんに惚れ込んだ編集者が、もと暴走族だったこと。
出来上がった原稿を見て、感動して涙を流して喜んでくれたこと。
社長が出版に二の足を踏んだ時、谷川俊太郎さんや灰谷健次郎さんに応援を頼み、それでもなかなかゴーサインが出なかった時に、その編集者が社長に直談判して本になったのがこの「日曜日の歌」。

絵本の朗読が始まると、会場のあちこちからクスクス笑う声が。みんなどこかで自分たちの生活や生い立ちや家族につながるところがあるからだろう。

最新作の「アイタイ」まで絵本の紹介があった。私などは「アイタイ」を読んでしまったら、本を買わなくなってしまうのに・・・と思ったが、講演の後に買う人も多い。私もそのうちの一人だった。 

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約2時間の講演の後にサイン会。 これが普通のサイン会と違う。集平さんだからこそのサイン会。 一冊一冊に手書きのイラストを描かれる。 主催者の人の話によると、どこかの講演会の話だが講演後のサイン会が終わるまでに1時間半以上かかったとか。

私は「あいたい」「小さなよっつの雪だるま」と集平さんが挿絵を描かれた岩瀬成子さんの「きみは知らないほうがいい」の三冊にサインをしてもらった。
この「きみは知らないほうがいい」をサインされるときに集平さんは「ぼくはこの本にサインするは初めてです」といわれた。
どうして?と本を売っている出版社の人に聞くと「今日、本になったばかりで、私も見るのが初めてなんです」と言ったのにはびっくり。

後の長谷川集平さんを囲む会も楽しかった。
私は10年ぶりに出会えた先輩がいて感激した。
最新作「アイタイ」の話で盛り上がる。
この絵本はヒロシマの黒い雨を連想させる表紙裏の絵からはじまる。
「ブキミナクモ」から原爆の雲を連想させる。「ワタシノナカノチイサナムシ」は人間の心にある小さな悪と読み取れる。でも集平さんはこういう。「黒い雲は彼女で、小さな虫は彼なんです。どちらも出会っているのです。出会っているのに気づかないってことがあるでしょ。どちらにも会いたいという気持ちはあるのに」
「えーっ、そうだったんですか。自分の読みが間違っていたんですか」と参加者から声が出ると、集平さんはこう言った。
「それでいいんです。作品は描いた人の意図通りに読み取る必要はありません。本を手にとった人の感じ方でいいんですよ」

なるほど。ちよっと一安心。
私はとてもそんなふうに読み取れなかった。
「日曜日の歌』の編集者のように、絵本や小説を読んで涙を流して感動したという経験もない。すごい人たちがいるんだなあ、と感心するばかりだった。

長谷川集平さんの講演会だからこそ、生き方をかけて仕事をしてきた人、人生をかけて仕事をしている人と出会えるのだと思った。

帰りの電車で読み始めた岩瀬成子さんの「きみは知らない方がいい」。挿絵を見ながらこの絵には何か覚えがある、なんだろうと思いはじめた。家に帰ってあちこちさがしてみる。これだ。

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私が職場の機関紙として毎週出していたもの。
表紙には読んだ本や、心に残った言葉などを使ってレイアウトしていた。
この号には、堀直子さんの「おれたちのはばたきを聞け」の一節を紹介し、本の挿絵から選んでコピーして構成していた。
この時の挿絵が長谷川集平さんだったのだ。

長谷川集平さんには30年以上前から出会っていたのだ。
出会っていたのに気づいていなかった。

集平さんの挿絵を勝手にコピーしていました。
長谷川集平さん、ごめんなさい。

*シューヘー・ライブのご案内。
 12月14日(日) 玉造さんくすホール
           (大阪市東成区中道3−14−17 環状線「玉造」徒歩10分弱)

 

 

 

 

長谷川集平講演会” への4件のコメント

  1. 長谷川集平講演会をまとめていただいてありがとうございます。自分が出会ったすてきな人をたくさんの人に紹介したい!私の幸せな気分をみんなにおすそわけしたい~そんなおもいで企画してきます。時間もお金もかかるけど、参加者の笑顔にエンパンワメントされますます豊かな気持ちになります。次回は、12月14日集平ソロライブでお待ちしています!

    • 猪飼野おとな塾さんへ。
      ありがとうございます。
      私には講演会をまとめる力量はありませんよ。あくまでも私個人の感想です(笑)。
      長谷川集平さんのキャラクターと集まった人たちの思いが相乗効果となって感動を残したのでしょうね。
      なによりも、それを企画して実現されたことがすばらしいと思います。ご苦労さまでした。
      12月のライブには行きます。予約しましたよ(笑)。

      • お金もかかる~と書いてしまうとなあんかものすごく使ってきたような印象を与えてしまったかも

        • 猪飼野おとな塾様
          いろいろと気を使って大変ですね。
          企画立案実施までの苦労は、やったことがない人にはなかなかわからないものだと思います。
          報われないほうが多いかもしれませんね。
          だれも長谷川集平さんの講演会で金銭的な利益を得ただろう、なんて思いませんよ。
          それよりも心の滋養と栄養をもらって得した、と思っている人のほうが圧倒的ではないかと思います。
          本当におつかれさまでした。
          12月のライブ、楽しみにしています。

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