はやぶさ2の発射近づく

12月1日(月)13:22:43(日本時間)

はやぶさ2その1

天候不順のために延期になっていた「はやぶさ2」の発射が12月1日と決まった。
お天気が心配だ。再度の延期があるかも知れない。焦らずに、最高のコンディションで打ち上げが行なわれてほしい。

29日に、大阪市科学館に行った。
「はやぶさ2」の企画展があったためだ。

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科学館のエントランスホールには、実物大の「はやぶさ2」の模型が置いてあり、雰囲気を盛り上げている。 科学館4階には「はやぶさ2」の探査計画をイラストや模型、実物資料で説明されているコーナーもあった。 IMG_3649
これは日本の誇るイオンエンジンの実物モデル。 「はやぶさ2」を覆っているサーマルブランケット(金色をしたラップのようなもの、太陽光線から探査機を守っている)、はやぶさ帰還カプセル方位探知アンテナなど、普段目にすることのできない資料が展示されていた。

 

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ミュージアムショップで買った「はやぶさ2」のパンフ。
定価100円・税込みだからお買い得。
中には「はやぶさ2」のミッションがわかりやすく書かれている。
詳しい内容は、実際に「はやぶさ2」が打ち上げられた時に説明したい。

プラネタリウムでも「はやぶさ2」の航海の動画が上映された。これが楽しみでプラネタリウムに行ったようなもの。
以前に「はやぶさ」が打ち上げられた時にも同様の動画が上映されたが、今回も誰にもわかるようにつくられていた。
小学生のこどもをつれた親子連れが目立つ。若いカップルの姿も多かった。
「はやぶさ2」のミッションは、
2014年12月・・・打ち上げ、太陽の周回軌道に。
2015年12月・・・地球に近づき地球スイングバイを実施し、小惑星1999JU3をめざして飛行
2018年夏・・・小惑星1999JU3に到着。1年半をかけて小惑星の周りをまわり観測。探査、岩石の採取。
2019年末・・・地球に向けて出発
2020年12月・・・地球に帰還。岩石の入ったカプセルを投下。はやぶさ2の本体は地球を通り過ぎ、次のミッションを待つ。

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上の写真は、「はやぶさ」が地球に帰還し、カプセルを届けた年に行なわれたJAXAでの公開展示の時のもの。
2021年には、これと同じょうな公開展示が行なわれるに違いない。
とにかく、12月1日の打ち上げ成功を祈るのみだ。

*夏に見た日時計は、周りの雑草がきれいに刈り取られていた。
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科学館の職員に、日時計の展示についてたずねたら、「結晶の特別展のため今は移動して展示されていないようです」と回答があった。

 

 

ケプラーの第3法則

ケプラー1

「はやぶさ2」の打ち上げが迫ってきた。太陽系探査にとって必要なのはニュートンの発見した万有引力の法則。
そしてその前段階を作ったのがヨハネス・ケプラー(Johannes Kepler、1571年12月27日 – 1630年11月15日)。
ドイツの天文学者。(写真はウィキペディアより)
ケプラーは義務教育で習うケプラーの法則でよく知られている。
ケプラーの法則というのは、

1.惑星は太陽を一つの焦点とする楕円軌道を描く。

2.太陽から一つの惑星へ引いた動径は、等しい時間に等しい面積を描く。すなわち「面積速度」が一定である。

3.公転周期の2乗は、軌道の長半径の3乗に比例する。

法則の1と2はなんとなく受け入れやすい。でも三つ目の法則は2乗のものが3乗のものに比例するというのはなんとなくすっきりしなかったのが私の学生時代の印象。

 ケブラーはティコ・ブラーエの詳細な観測結果を受け継ぎ、そのデーターを元に法則を発見したと言われている。

どんなデーターを元にしたのだろう。
イメージをつかむために理科年表を見た。

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桁数の大きな数字が並んでいる。少しわかりにくいので見やすく作りなおしてみた。

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 この数字を見て、
軌道長半径の3乗と軌道半径の2乗が比例しているなんて、私には思いもつかないし、本当に比例しているのかな、とおもってしまう。 

ケプラーがどのような経過と思考過程を経てこの三つの法則にたどりついたのかは、今の私には知識がない。
現在の天文学では、ニュートンの万有引力の法則にもとづいて計算式が導かれて、証明できることなのだろう。
私はもう少し、わかりやすい説明の仕方がないものかと思った。
本を見ている中で「対数グラフ」を使って説明しているのがあった。これはいい方法だと思う。

対数グラフには一つの軸を対数表示した「片対数グラフ」と両方の軸が対数になっている「両対数グラフ」がある。
下の図の左が「両対数グラフ』で右が「片対数グラフ」。

両対数グラフ 片対数グラフ

 

まず片対数グラフを使う例の説明でよく出てくるのが曽呂利新左衛門。
あるとき、曽呂利新左衛門が太閤秀吉から褒美をもらえることになった。

「なんでも好きなものを言っていいぞ」
「たいそうなものは入りません。米粒一粒で結構です」
「何? たった一粒でよいのか」
「いえ、二日目は二倍の二粒。さらに翌日はその倍の4粒、その次の日はその二倍の8粒、と1ヶ月続けていただければいいです」
「よし、あい分かった。簡単な願いじゃのう」

ところがこの願いは最後までいきつかず、途中で秀吉が音を上げたというお話。
はて、30日目が何粒になったのか計算したのが次の表。

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この表を片対数グラフにかくと見事な直線になる。 IMG_20141118_0005

このように、指数関数は片対数グラフでは直線になる。 逆に言えば、片対数グラフ上で直線になるグラフは指数関数であるとも言える。

次に両対数グラフに前に上げた「軌道長半径」と「公転周期」の値を記入してみよう。
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 これも見事に直線上にそれぞれの値がのってくる。 べき関数になることが予想される。 実際に公転周期の2乗、軌道長半径の3乗を計算してグラフに描いてみると、

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原点を通る直線となり、公転周期の2乗が長半径の3乗に比例していることがわかる。

対数グラフに描くことにより、ケプラーの第3法則がイメージとしてやっと腑に落ちた。

グラフに描くことにより、理解しやすくなる、イメージしやすくなるという例の一つである。