ガーゴイル

IMG_20609月8日。

中秋の名月。

今年最後のスーパームーン。

地球と月の距離が最大接近なので大きく見える。(358,386Km)
(スーパームーンについては私の8月11日のブログを。)

肉眼では大きく見えているのに、iPhoneで写真にとると、ほらご覧のとおり。
信号機の電球と同じくらいの大きさ。
大きく見えているのは目の錯覚。大きく見ているのは人間の脳。

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最近読んだ本。
「ガーゴイル 転生する炎の愛」 アンドリュー ディビッドソン著 東江一紀訳
徳間書店

ガーゴイルというのは、本の表紙の写真にある怪物のような彫刻。
ウィキペディアによると、
「ガーゴイル(英: gargoyle)は、怪物などをかたどった彫刻であり、雨樋の機能をもつ。彫刻のない雨樋はガーゴイルとは呼ばない。また、雨樋のうち彫刻のない部分もガーゴイルといわない。本来の意味である彫刻としてのガーゴイルは主として西洋建築の屋根に設置され、雨樋から流れてくる水の排出口としての機能を持つ。

ガーゴイルの語源は、ラテン語で水が流れるときのゴボゴボというような音を表す gar である。」

なぜこの本に興味が出たかというと、テレビでアンジェラ・アキさんの放送を見た時に、この本の紹介があったからだ。
アンジェラ・アキさんは、「手紙 〜拝啓十五の君へ〜」を聴いた時から興味をもった。
そのアンジェラ・アキさんが歌手活動を停止してアメリカへ留学するということから、最近テレビで対談などの番組でみるようになった。
そのひつとの番組で、アンジェラ・アキさんの古くからの知り合いが小説家でその本が「ガーゴイル」ということを知った。どんな本なのか読んでみたくなった。

ガーゴイル1

本の内容を紹介したいが、これから読む人のために楽しみを残してもらうため、本のカバーにある文を書いておこう。

「現世を享楽的に生きる主人公が自動車事故に遭い、病院に運び込まれる。重度の火傷に絶望し、死を決意した男だったが、そこに中世ドイツで彼と恋人どうしだったと称する女が現われる。彼女、マリアーネ・エンゲルは男の快復に力を貸しながら、日ごと夜ごとに語る。異なる時代、異なる国に生まれ変わっては繰り返される男と女の壮絶な愛の物語を―。

久遠の愛―それは不死鳥のように、火の試練を経て、より確かによみがえる。700年の歴史など、この愛の物語の前では色あせたタペストリーのようなもの。愛し合いながらも過酷な運命に引き裂かれる男と女は、数百年先の幸せを信じて別れる宿命を受け入れる。」

私は最初の事故のシーンでびっくりしてしまった。
アメリカの小説によくあるように、描写がこまかい、これでもかこれでもかと説明が続く。交通事故や火傷の場面でここまで描かれたら、いやになって読むのをあきらめる人も出るだろうな。私も少し飛ばして読みました・・・。

でも逆にこんなに書いたら実物を見たいなあと思うところも。
それは料理のところ。
「彼女はそれらをあけて食べ物を並べ始めた。まだ薪の煙の匂いも香ばしい、焼きたてのフォカッチャが次々に出てきて、オリーブオイルとバルサミコ酢の瓶が並んだ。マリアーネは黄色いオイルに黒いバルサミコをたらりとまわしかけ、フォカッチャをちぎると、豹柄の液体にひたした。そして、「ジュベ、ドミネ・ベネディケレ」と、おなじみの祈りの言葉を捧げて、それをわたしの口もとに差し出した。
チーズもあった。カマンベール、ゴーダ、ブルー、イランの山羊、好みを聞かれて山羊を選ぶと、マリアーネが大きく微笑んだ。次に、クレープのように見えるが、なんとも匂いのきつい、ほかほかのラップサンドイッチ。ゴルゴンゾラ・パンケーキはこのみがわかれるところだか、きっと気に入ると思う、とマリアーネが言った。そのとおりだった。小さなボール状のマスクメロンを、薄い生ハムで包んだ生ハムメロン。オレンジ色の果肉が、ピンク色のハムの向こうに透けて見える。
マリアーネはバスケットの中身の発掘作業を続けた。赤いピメントをたっぷり詰め、そのせいで丸々とふくらんで見える緑色のオリーブが、黄色いボウルに満足気に休んでいる。黒いビネガーに浸したトマトに、雪のように白いボッコンチーニ・チーズをかたまりごと散らした一品。ピタパン数枚と、フムスとタジキ(ヨーグルト・ソース)を縁まで満たしたカップがふたつ。マリナラソースの海に瀕死した幸せな牡蠣、蟹、帆立貝たち。皿の縁でバランスを保っている、くさび形にカットされたいくつもの小さなレモンは、海に投げ入れられるのを待つ救命胴衣のようだ。胡椒をまぶしたポークソーセージ、ワインで香りづけしたドルマテスー緑のスーツを着て、できるだけ浅黒く、男らしく見せようとしている。カラマリ(イカの揚げ物)の太いリング、バター焼きした甘玉ねぎとピーマンの蒸し煮を串に添えたスブラキ、フォークを思い浮かべて見つめただけで、ほろほろに崩れそうな、柔らかく煮込んだラムの肩肉と、その周囲を飾るジャガイモ仲良し一家のオーブン焼き。
皿をひっくり返しそうで身動きもできず、わたしはベッドに座ったまま、いわば料理この雪崩の下敷きになっていた」

こんな描写がいろんなところである。
700年にわたる時間の流れにある男女の物語だが、内容は背景がキリスト教にあり、私には理解できないところもある。
作者は日本にいたことがあるからか、好意的な日本人の人物が登場する。でも日本に対する認識で?と思うところもあるが、まあいいか…という感じ。
日本に住む私たちには「ガラスの尼僧」に惹かれるかもしれない。ガラスに吹き込まれた祈りと希望の言葉からうかぶイメージは美しい。そういえば「千羽鶴」に息を吹き込んでふくらませることは命を吹き込むこと、と聞いたことがある。だから思いを込めた千羽鶴は息を吹き込んでふくらませた鶴が正式ということも。

ガーゴイル2

ガーゴイルの写真はインターネットからとったもの。
本のタイトルを「ガーゴイル」としたのはどうしてだろう。ガーゴイルの写真をネットで探していると、
主人公の「わたし」と重ねているのかもしれない、と思う。

一番魅力的なのは「マリーネ・エンゲル」。

アンジェラ・アキさんは、アメリカてグラミー賞をとるために勉強するという。
そしてオペラを作曲したいという希望もあるそうだ。
この「ガーゴイル」は、映画やアニメや舞台にピッタリだと思う。
読んでいて映像が浮かんできそうだった。
時代を超え、世界に広がる人物は、舞台上をいきいきと動きまわりそうだ。
いつか、アンジェラ・アキさんの作曲によるオペラ「ガーゴイル」が誕生するかもしれない。
そんな期待をもたせる「あとがき」を、アンジェラ・アキさんが書いている。
アンジェラ・アキさんは48時間でこの本を読んだそうだが、私は一気読みはできなかったが、一週間はかからなかった。

 

 

 

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