蒼の乱

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天海祐希さんのオーラ満載、大爆発の劇「蒼の乱」を見に行く。 IMG_9205 IMG_9213

インターネットでオープンになるやいなや、チケットを買ったが、すぐに売り切れ。
高いチケット代だが、見に来てよかったと満足できる舞台だった。
でも、真田十勇士と同じような巨大といっていいアルバム。中身を確かめることもできない状態での販売だから、その点はチヨット不満。今回は写真ばかりではなく、インタビューや背景の説明もあって、買ってよかったという思いができた。

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脚本を書いた中島かずきさんはこの作品について「・・・大怨霊として有名な平将門、関東ユートピアの創造をめざし挫折する野望の王。これを天海祐希さん演じるヒロインの視点から物語る。「いのうえ歌舞伎」の王道たるモチーフだ。ただ、実際に天海祐希さんと松山ケンイチさんを主軸にして書き始めると、最初に想定したものとはかなり違った感触の作品になった。愚直で若々しい将門小次郎と、革命を夢見て挫折したが再び志を取り戻す蒼馬。二人の人物像とそこから繰り広げられる物語は、絶対に自分一人の力では書き得なかったものだ。・・・坂東の草の海を愛する男と女の生き方が、新しい風を起こしてくれたのかもしれない。この風が、劇場を、そしてみなさんの心を駆け抜けてくれたらと願います。」と書いている。
まさしく、「風が心を駆け抜ける」舞台だった。

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舞台は光と、風が素晴らしく効果的に使われていた。
ライトそのものが舞台の幕のような働きをしたり、一枚の布が広々とした草原にかわる風の動き。空の蒼と草原の青(日本語では青と緑は同じものを表す時がある)。天と地の間にある天海祐希さん演じる蒼馬の姿は、広い舞台いっぱいにその存在感を示す。
サウンドオブミュージックのジュリー・アンドリュース演ずるマリアのように、フランス100年戦争のジャンヌ・ダルクのように、はたまたアーサー王が引きぬいたエクスカリバーを持つかのような蒼馬は人間の未来に向けて戦う姿を象徴しているかのような美しさがある。

物語の蒼馬や将門小次郎の世界にひたり、演じた天海祐希さんや松山ケンイチさんたち俳優さんの努力と修練と流した汗に思いを広げて、この世界に生きる自分たちを見つめなおした時、「もうすこしがんばってみようか」と思う。それが芸術の力だといつも思う。

さてこの物語の背景にある将門伝説。正史には「乱」と記される事実があったからこそ、そして伝説として語り継がれてきた事実がこの作品に重みを与えていると思う。歴史にあらわれない「乱」や「革命」や「一揆」が数えきれないほどあったと思う。あっても、そのほとんどが忘れ去られ、消し去られ、人々の記憶からなかったことのように消えていっている。人間の記憶とは儚いものだと思う。伝える努力をしない限りそれはなかったことになる。ベスビオス火山の噴火で埋もれたポンペイしかり、1000年間森のなかに潜んでいたボロブドゥールの遺跡しかり、日本で言えば4000年前の巨大遺跡の三内丸山遺跡もまったくといっていいほど、人々の記憶には残っていなかった。
「伝説」として「怨霊」として、そして「芝居」や「演劇」として過去の事実が私たちに語りかけること気づかせてくれたのが、この「蒼の乱」だった。

 

 

 

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