桂米左独演会

IMG_8921今年で30年の節目を迎えた桂米左(かつらよねざ)さんの独演会に行った。
お客さんの多くは年配の人が多く、ご贔屓の人から舞台に声の掛かることもあったし、独演会だから三つも噺が楽しめた。
一つ目の「悋気の独楽(りんきのこま)」の時、米左さんがこの独演会に先立って、師匠の桂米朝さんに「本能寺」を聞いてもらった時のことが紹介された。米朝さんが「これ以上ないという渋い顔で」自分の噺に稽古をつけてもらったそうだ。私は「なんで?」と思ったが、会場の多くの人から笑い声があった。
家に帰ってからネットで調べてみると、この「本能寺」は師匠の米朝さんが復活された演目だということだった。なるほど、これで納得できた。
IMG_20140423_0001桂与太郎さんの「寿限無」、桂しん吉さんの鉄道ネタの新作、そして桂米左さんの「悋気の独楽」「住吉駕籠(すみよしかご)」「本能寺」と2時間半があっという間にたったと思うぐらいに楽しめた。

IMG_8925独演会ともなると、大変な準備だったろうな、と思う。30年の芸、というのはこうして3人の落語を聞くとよくわかる。特に、米左さんの体全身を使った芸は見ていてもおもしろいし、それ以上に稽古を重ねてきたことが滲みででいる。
古い噺になると、その歴史的背景を知らないとわからないことが多くなるので、その説明も長くなるだろうな、と思う。私が子どもの頃を思い出すと、そんな噺から知識を得たことも多かった。おめかけさんは東京で、大阪ではおてかけさんの違いや、悋気という言葉も最近聞かなくなった。雲助(くもすけ)駕籠から「クモの足は八本、昆虫ではないんだ」ということを再確認したり、いろんなことが頭に浮かんできた独演会だった。
最後の「本能寺」は初めて聞いた。
桂米朝さんが復活された演目ということと、歌舞伎の所作がメインに取り入れられているので見て楽しむお噺だと思った。それにしても、米左さんの所作と歌舞伎のセリフが決まっていた。よく本物の歌舞伎を研究されているのだろう。歌舞伎のことを知らないと演じることの難しい噺だから、若い人で演じる人がいないのだろうし、米左さんが30年の節目に選んだ理由がなんとなくわかる。
「本能寺」で「青田」の説明が最初にあり、最後のサゲ(おち)で使われたのだが、少し私にはわかりにくかった。桂米朝さんの本能寺がユーチューブであったので見てわかったことがある。昔はただで芝居見物に来たお客さんを「青田」と言っていたそうだ。イナゴ→田圃→青田→タダ見の客、という連想が働くことを前提にされているのだな。それぐらいに芝居、歌舞伎というものが市井の人に根づいていたということなのだろう。
鉄道落語もおもしろいし、芝居落語、芝居噺もおもしろい分野だと思った。これから文左さんの演じる芝居噺を聞きたいと思った。

IMG_8922天満の天神さんのすぐねきにある繁昌亭(ねき、ってわかりますか? 大阪弁で傍-そば、という意味です)。しっかりと根づいたと思う。NHKでは高田郁(たかだかおる)さんの「銀二貫」がはじまった。「銀二貫」の舞台は大阪天満宮。大阪には大切にしなければならない文化がある。
外にでると肌寒かったので、夕食は繁昌亭のねきにある、蕎麦屋さんにはいる。今日の名物とすすめられたうなぎのセイロと温かいうどんを食べる。食べながらおしゃべりを楽しんでいると、お店の人が玄関付近の電気を消す。えっもうそんな時間?10時5分ぐらい前だった。お客さんがいるのに、断りもなしに電気を消して(もう一度つけなおしたが)、のれんをはずそうとしていた。
えーっ、あきまへんで! 天神さんがおこりまっせ。