ボイジャーの旅 その4

ボイジャー2号と天王星・海王星

木星にも輪があることを発見し、タイタンの観測を終えたボイジャー1号は、それから約10年後に太陽系家族写真を撮り、現在の進路は琴座の一等星ベガの方向。写真を撮る電力を他の観測機器にまわし、周囲の観測を続けながら秒速17kmで今も飛び続けている。
太陽系探査のバトンはボイジャー2号にわたされていた。
天王星1
天王星の付近を飛ぶボイジャー2号(想像図)

ボイジャー2号は、1号と同じように木星、土星の観測をし、人間の観測装置が今まで行ったことのない天王星と海王星の観測に向かった。
ここで太陽系の大きさを振り返ってみよう。
10億分の1のスケールで考えてみると
まず,太陽は直径約1.4mの球になる。
地球は,太陽から約150m離れて公転する直径約1.3cmの球,
木星は,太陽から約0.8km離れて公転する直径約14cmの球,
土星は,太陽から約1.4km離れて公転する直径約12cmの球,
天王星は,太陽から約2.9km離れて公転する直径約5.1cmの球,
海王星は,太陽から約4.5km離れて公転する直径約5.0cmの球
になる。
自分の家に直径1.3cmのビー玉があると想像してみよう。それが地球。家から3km,4kmの場所はどこだろう。駅、スーパー? そこまでボイジャー2号は進路を間違えずに飛び続けた。

天王星最接近は、1986年1月24日。発射から8年と6ヶ月。
海王星の最接近は天王星から3年と7ヶ月後の1989年8月25日、実に打ち上げから12年がたっている。様々なトラブルを乗り越え、宇宙塵や流星にぶつかることのなかった幸運もあるが、計画を成し遂げる技術力とサポート体制に驚かざるをえない。

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この写真は天王星の輪。天王星には11個の輪があることがわかった。輪は直径1m以上の粒子でできているそうだ。
また地上からは5個の衛星が発見されていたが、新たに10個見つかり計15個の衛星が天王星にはあることがわかった。

ミランダ

これは天王星の衛星の一つミランダ。つぎはぎのように見える地形は、過去何度もあった破壊的な地殻活動により分裂し、再結合しにことによるものと言われている。

海王星はガリレオも発見していたが、当時は恒星と思われていた。1846年にイギリスのアダムス、フランスのルヴェリエによって惑星として発見され軌道が計算された。海王星の公転周期は約165年といわれており、2011年7月12日に最初に発見された時点の位置に戻ったとして話題になった(発見されてから165年かかって海王星は太陽の周りを一回まわったという記念すべきこととして)。

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6億8500万kmから撮影した海王星とトリトン。
ボイジャー2号は海王星にも輪があることを確認し、新たに6個の衛星を発見した(現在では14個発見されている)。そして木星の大赤斑に似た大暗斑も発見している。フライバイによってトリトンに約40000kmまで近づき、火山からの噴煙と極冠、とても薄い大気や雲などが発見している(0.001kPa)。
トリトンの直径は約2700km,海王星との距離は約354800kmで地球と月の関係に似ている(月の直径は約3474km,地球との距離は約380000km)。海王星の上から見たトリトンは、地球から見た月のように見えるだろうと想像される。ただトリトンの軌道は他の衛星と違って逆行軌道である。海王星との潮汐作用により最終的には海王星に墜落するとも言われている。

海王星の観測でボイジャー2号の惑星探査ミッションは終了した。
ボイジャー2号はボイジャー1号と反対方向の軌道をとることになり、星間空間ミッションに入った。