ピクチャー・ブライド

ピクチャーブライド3IMG_2264

ハワイに移民した日本人のことも知らなくてはと見たビデオがこれ、「ピクチャーブライド」。

昔、工藤夕貴が主演の映画があったはず、と思い探したがTSUTAYAにはない。宅配レンタルにもない。本当に無い。
アマゾンで探すと、19980円。海外版が830円であったがリージョン1で私のビデオデッキでは見れない。

ピクチャーブライド1 左の写真が海外版の「Picture Bride」。

またもや見たい映画が見れない状況になった。こういう時にたよりになるのは大阪市立中央図書館。
VHSのビデオが借りれた。
映画は次のようなテロップから始まる。
「20世紀初め写真の普及がアジアの見合い結婚を変えた。相手に会うこともなく家族や仲人が写真一枚で遠方や海外にいる相手との縁談を決めた。1907年から24年にかけて日本・韓国の若い女性2万人以上が花嫁となるためにハワイへ渡った。彼女たちは『ピクチャーブライド』と呼ばれた。この映画は彼女たちの物語である」
内容を資料によって簡単に紹介すると、
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

監督・脚本を担当したカヨ・マタノ・ハッタ、マリ・マタノ・ハッタは日系三世の姉妹で、自分たちの家族のルーツをもとにこの映画を製作したそうだ。
この映画iに出てくるマツジのように、若い頃の写真を渡して年をごまかしたり、あるいは男前な友人の写真を借りて渡すことは実際にあったらしい。映画はハッピーエンドになっているが、現実にはこういったことが原因で妻が別の男と駆け落ちしてしまうなど、写真結婚は悲劇を生むこともあったようだ。(映画の中でも語られている)

映画では、サトウキビ畑の農作業だけでなく、活動写真や盆踊り、男たちが出入りする賭博場などの娯楽も描かれている。活動写真の弁士役で、なんと三船敏郎が登場している。(三船敏郎の最後の作品といわれている。)
リヨ(工藤夕貴)と同じく写真花嫁だったカナの役を演じたタムリン・トミタは、日系人の女優。『愛と哀しみの旅路』(原題:Come See the Paradise)という映画でも、第二次大戦頃のロサンゼルスに住む日系二世の役を演じている。こちらも、戦前の日系人の生活や、戦時中に日系人が入れられた強制収容所の様子などがよく描かれているので、日系人の歴史を知るにはお勧めの映画である。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

ピクチャーブライドの背景には日本とアメリカの関係が背景にある。1907年に日本からの移民を原則禁止する紳士協定が日米間で結ばれ,1908年以降集団移民の時代は終わる。ハワイに移民している多くの男性日本人が日本人の花嫁を迎えたいということから、最後に唯一残った移民方法として「呼び寄せ移民」を利用した。それがピクチャーブライド(呼び寄せ花嫁)の始まりだったといわれている。そして1924年にはアメリカの排日移民法が成立している。映画の最初に「1907年から24年にかけて・・・」という説明はこの歴史的事実からある。
また映画では、農園主が賃金と待遇によって、日本、沖縄、韓国などのアジアの国や他の国々から来た労働者が団結しないように分断をはかっていた様子も表されていた。映画にあるようにストライキも何回も行われていたそうだ。
私が驚いたのは、リヨが隠していた暗い過去−それが両親が肺病(はいびょう−結核)で死んだこと、そしてそれを知ったマツジの異常な反応。結核というものの当時の社会的な位置を知らされたことだ。差別や偏見が社会的に作られてきた一例といえる。
工藤夕貴さんは、16歳からハリウッドに挑戦し、オーディション合格のために苦労して英語を習得し、様々な壁にぶつかって自分を磨いてきた俳優として私は知っている。その英語がこの映画で聴ける。レンタルビデオにないのが残念な作品だ。

 

 

 

 

ピクチャー・ブライド” への11件のコメント

  1.  「ピクチャー・ブライド」の映画評はいいですね。見たくなりました。でも、VHSでは見ることができません。当方VHSの機器は現在はありません。紺碧の空さんの映画の感想は今後、「紺碧の空劇場(1)」ピクチャー・ブライドとされると映画に興味のある者はそのタイトル「紺碧の空劇場( )」で検索できるので便利です。
     モンゴルの写真は奇麗でした。空の青さが違います。モンゴルはまだまだ自然がいっぱいな様子がうかがわれます。それにしても乗馬体験とはまだまだお若い証拠です。

    • 風見鶏さんへ

      コメントありがとうございます。意見をもらえるとうれしいですね。

      ピクチャー・ブライドを見ようと思ったら、中央図書館で視聴することができますよ。

      「紺碧の空劇場」というのは、タイトルにするのですか?それともタグにするのですか? ブログ作成についてはまだまだわからないところがあります。よろしくお願いします。

      モンゴルのようすについてはブログで少しずつ紹介していくつもりです。ただ「自然保護と開発」はどこの国でも大きな課題だなあと思います。

  2. 「紺碧の空劇場」はタイトルにして、サブタイトルに映画の名前でどうでしょうか?当方はgooのブログなので少し違うようです。当方はタグは使っていません。参考までに

    • 風見鶏さんへ

      いつもありがとうございます。カテゴリに「紺碧の空劇場」をつくり、そこに私が推薦する映画やDVDを紹介するようにしました。

  3. はじめまして。ピクチャーブライドの説明わかりやすいです!!

    「また映画では、農園主が賃金と待遇によって、日本、沖縄、韓国などのアジアの国や他の国々から来た労働者が団結しないように分断をはかっていた様子も表されていた。映画にあるようにストライキも何回も行われていたそうだ。」

    この事実は、何を文献とされましたか?お教えいただけたら嬉しいです。

    • あきの様

      コメントありがとうございます。
      ブログにも紹介していますが、私の読んだ本で、日系移民のストライキが記されている本は次のようなものです。
      1.「ハワイの歴史と文化ー悲劇と誇りのモザイクの中で」矢口祐人著 中公新書
      ここには第1章に「ピクチャーブライド」のこと、ストライキのことが詳しく書かれています。
      2.「ハワイ」山中速人著 岩波新書
      第2章「移民たちの島」にフィリピン労働者と連帯したことが書かれています。
      3.「これならわかるハワイの歴史」石出みどり・石出法太著 大月書店
      この本には「ピクチャーブライド」の項目があります。裏表紙の歴史年表にはストライキのとこが記されています。
      あらためて調べてみると、ネットで「ハワイ・日系移民・ストライキ」で検索すると沢山の記事がありました。調べてごらんになるといいと思います。
      また、「地球を歩く」のような少し詳しい観光用の冊子には、日系移民のストライキのことがふれられているようです。「地球を歩く・ハワイ1」で確かめました。
      私自身は20年近く前に行った、ロサンゼルスの「全米日系人博物館」で「ハワイ特集」をしていたことを思い出します。そこで研究者から日系移民の人たちの苦労を聞いたことを覚えています。
      何かの参考になればと思います。

      • 紺蒼の空 様
        丁寧なご説明ありがとうございます!!
        大学のレポート課題の内容で
        参考にさせていただきます。

        ストライキについて詳しく知ることが出来て
        良かったです!そして、

        農園主が賃金と待遇によって、日本、沖縄、韓国などのアジアの国や他の国々から来た労働者が団結しないように分断をはかっていた様子も表されていた。
        この部分のご説明も詳しく教えていただけたらと思います。

        これは、映画ピクチャーブライドの中で
        移民達が給料を配布されている時に
        東南アジア系(?)の移民の男性が
        日本人と同じ仕事をしているのに
        どうして給料の額が違うんだと嘆いている
        場面で当たっておりますか?

      • 例えば、
        どのような判断基準で農園主が賃金と待遇によって、日本、沖縄、韓国などのアジアの国や他の国々から来た労働者の分断をはかっていたのか、またどうして日本人の方が賃金が上だったのかなど、詳しく書かれた文献などがございましたら、お教えいただきたいと思います。

        • あきの様
          コメント二つ受け取りました。ありがとうございます。
          熱心に勉強されているようですね。
          あきの様にご協力はさせていただきたいのですが、私はハワイの日系移民についての研究者ではありません。
          映画「ピクチャーブライド」を見ての感想を書いただけなので、あきの様の質問に応えるだけの力量は残念ながらありません。
          たたこのプログを書くにあたって読んだ本の中で、ストライキについて一番詳しく書いてあったのが「ハワイの歴史と文化ー悲劇と誇りのモザイクの中で」(矢口佑人著 中公新書)です。
          そこには「経営者たちは、異なった国の労働者を農場で競争させることで、団結を防ごうとした。出身国によって、労働の内容や賃金に差をつけ、労働者の敵対心をあおって結束力を弱め、ストライキが起こるのを防ごうとしたのである(P28)」や「同じ労働をしても日本人の方がフィリピン人やコリアンより給与が高いことが多かった。・・・資本家は巧みに労働者の民族意識を利用したのである(P29)」と書かれています。
          この本の巻末には詳しい文献が紹介されていますので、それを参考にされたらどうでしょう。
          映画「バンクーバーの朝日」にも、日系人が労働や教育で差別されたこと、しかしその中でたくましく生きてきた人たちのことが映画で表されていましたね。
          映画「ピクチャーブライド」をきっかけに、歴史や文化や人権のことを勉強されているのでしょうか。
          そのための勉強に、私のブログが少しでも役に立ったのならうれしいことです。

          • 紺蒼の空 様
            返事が遅れまして申し訳ありません。

            詳しく教えて下さってありがとうございます。特に文献の本を知ることが出来てよかったです!

            比較文化論という授業で、ピクチャーブライドを扱い、そこで私が気になった点がありましたので、調べてみると紺蒼の空様のサイトにたどり着きました。

            紺蒼の空様のお返事で、気になってた部分が分かることが出来ましたので非常に嬉しく思います。論文の参考にさせて頂きます。本当にありがとうございました!!!

          • あきの様
            私の読んだ本が役に立ってよかったです。
            学生の時に、あきの様のように自分の知りたいことを調べようとする意欲と努力をもっていることは、
            将来きっと役に立ちますよ。
            がんばって勉強を続けてくださいね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です